坂口貴信が一人で一日に三演目を演じる独演三番能。夫々の役柄の"演じ分け"をどうぞお楽しみ下さい。
『清経』では、源平合戦のさなか行く末を悲嘆して船の上から入水し自害した武将/清経を、『松風』では、愛した行平の死後も尚、恋慕の執心に焦がれる姉妹の姉/松風を、『天鼓』では、鼓を取り上げようとする皇帝の勅命に背き殺害された鼓の名手/少年・天鼓(後シテ)と天鼓の父・王伯(前シテ)を演じます。これら異なる役柄の"演じ分け"が全体の見所です。
2歳で初舞台に立って以来、研鑽に励みその時々の年齢や経験に合わせ様々な役柄を勤めて参りました。ようやく役の違いによる謡・舞の"演じ分け"ができる年齢になったと感じ、全て異なる役柄で構成した独演三番能を開催することにいたしました。
尚、能三番の上演に先立ち、父/坂口信男が仕舞『西行桜』を、5歳になる甥/坂口和貴が仕舞『吉野夫人』を勤めます。
2025年初秋、能三昧の一日をご堪能いただければ幸いです。