日本で初めての女医、荻野吟子。
嘉永4年(1851年)、武蔵国幡羅郡俵瀬村(現在の埼玉県熊谷市)に生まれ、幼い頃から兄たちよりも聡明で周囲を感嘆させた吟子。しかし、女に学問はいらないと隣村の名主の家に嫁に出され、そこで夫から病気を移されると、今度は子どもの産めない嫁はいらないと実家に帰されてしまう。この無情な現実に泣いた吟子は、自分と同じように涙を飲む女性たちのために医者になることを決意する。まだ女性に医者の認可を与える制度がない時代、吟子は男性社会の中で道なき道を歩んでいく。監督・脚本は「母 小林多喜二の母の物語」「エンジェルがとんだ日」の山田火砂子。吟子役で若村麻由美が主演し、山本耕史、賀来千香子、佐野史郎、柄本明らが共演。