春の恒例となった黒部シアター。新潟から世界に向けて活躍する舞踏集団Noismが今年も登場します。
黒部シアター4回目となる今回の演目は、2020年に創作した『春の祭典』。ストラヴィンスキーの『春の祭典』は1913年の初演から、実に多くの振付家によって振付されてきた。中でもモーリス・ベジャール版は有名である。そのベジャールの下で振付を始めた私にとって、本楽曲に振付をするには相当な覚悟が必要であった。ある日、久しぶりに本楽曲を聞いていると、突然、独自の着想が浮かんできた。それは舞踊家一人ひとりに担当楽器を定め、一人ひとりに独立した動きを振付し、それをオーケストラのように集団実演すること。そうすることで、“一人の娘の生贄の儀式”という本楽曲の原案から飛躍して、一人ひとりの不安や恐れが互いに影響し合うことで生まれる、集団ヒステリーの儀式が表現できる。それこそが、誰もが被害者であると同時に加害者でもあるという、“現代を生きる生贄たち(私たち)の儀式”を表現するのに、相応しい方法だと考えたのだ。 金森穣