大野和士芸術監督による日本人作曲家委嘱作品シリーズ第3弾として、細川俊夫による新作オペラを上演。台本を手掛けるのはドイツを拠点に活動している作家、多和田葉子。8/11(月・祝) ~ 17(日)新国立劇場 オペラパレスにて開催。
地球のうめきが問うものは―
現代の地獄で言葉が交差する
大野和士芸術監督による日本人作曲家委嘱作品シリーズ第3弾として、細川俊夫による新作オペラを上演します。現代音楽をリードする作曲家として、世界各国の主要なオーケストラ、音楽祭、劇場からの委嘱作品が次々と上演されている細川俊夫は、新国立劇場へは2018年に『松風』を上演して以来の登場、大野和士とのタッグで世界初演を行うオペラはエクサン・プロヴァンス音楽祭委嘱作品『班女』(2004年)以来となります。
人と自然の関わりを見つめ直し、祈りと鎮魂としての音楽を書いてきた細川俊夫は、特に2011年の東日本大震災以後は自然の恐ろしさ、そして自然への畏怖を忘れた人間の傲慢さを念頭に、破壊の歴史を繰り返す人間の姿を問い続けています。新作の台本を手掛けるのは、ドイツを拠点に世界を見つめ、日本語とドイツ語で国境や言語をテーマにした小説を発表し世界的に評価される作家、多和田葉子。故郷を追われ彷徨う移民ナターシャと青年アラトの邂逅、そして人間の様々な地獄絵図を見せ二人を導いてゆくメフィスト的存在を核に、日本語、ドイツ語、ウクライナ語の多言語によって、現代文明と人間の始原の姿が対比されていきます。危機に瀕した地球のうめきが根底に響き、多文化を鍵に破滅と希望が描かれるオペラの誕生です。
▼公演詳細は公式HPにてご確認ください。
https://www.nntt.jac.go.jp/opera/natasha/
※やむを得ない事情により、公演内容やスタッフ・キャストに変更が生じる場合があります。
■スタッフ
【台 本】多和田葉子
【作 曲】細川俊夫
【指 揮】大野和士
【演 出】クリスティアン・レート
【美 術】クリスティアン・レート、ダニエル・ウンガー
【衣 裳】マッティ・ウルリッチ
【照 明】リック・フィッシャー
【映 像】クレメンス・ヴァルター
【電子音響】有馬純寿
【振 付】キャサリン・ガラッソ
■キャスト
【ナターシャ】イルゼ・エーレンス
【アラト】山下裕賀
【メフィストの孫】クリスティアン・ミードル
ほか
【合唱指揮】冨平恭平
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団