このフザけた時代を、生き延びてみせましょうぜ!
劇作家ベルトルト・ブレヒトと、作曲家クルト・ヴァイルが『三文オペラ』を世に放ったのは、1928年ヴァイマル共和国時代のドイツ・ベルリン。物語の舞台であるロンドンもバブル期で、ともに好景気と退廃気分のまっただ中だった。
しかし、社会の根底ではナチスがその勢力を拡大しつつあり、そんな当時と妙にシンクロするのが、インバウンド景気や株価上昇の一方で排外主義が浮上し、貧富の差がもはや隠されることのなくなった現代ニッポン。
今回の“現場”は昔も今も人々の快楽欲求が交差する歌舞伎町。ミュージシャンたちの言霊がかつて行き交った伝説のライブハウスLIQUIDROOMの跡地であり、現在は格闘技場としても知られる新宿FACEに、アウトローたちの救済もモラルもない、刺激的な音楽劇が、時空を越えて召喚される。