“炎のマエストロ”小林研一郎 海外デビュー50周年の節目を飾る公演。ソリストにピアニストの亀井聖矢を迎えてお届けします。
ブダペストでの輝き、50年の軌跡 ―
「炎のマエストロ」の愛称で親しまれる小林研一郎。この指揮者ほど、老若男女に愛されている人はいないのではなかろうか。エネルギッシュに、情熱ほとばしる音楽を聴衆に届け、終演後はプレイヤーを称えて歩み寄り、穏やかに微笑みながら客席に向かい感謝の言葉を伝える。その瞬間、誰もが胸の奥にジンとくるものを感じ、巨匠小林研一郎に魅了される。
今年は、小林が1974年に第1回ブダペスト国際指揮者コンクールで優勝してから50周年。この鮮烈なデビューで共演した楽団が、今回ツアーを共にする「ハンガリー・ブダペスト交響楽団」である。プログラムは、その優勝時に演奏したロッシーニの歌劇『セビリアの理髪師』序曲から始まる。ソリストは、2022年にロン=ティボー国際コンクールで優勝し、今や若手ピアニストの中でライジングスターのひとり、亀井聖矢。超絶技巧きわだつ艶やかな音色に期待が募り、初共演のマエストロ小林とリストを生んだハンガリーの楽団とどのような化学反応が起こるのかにも注目したい。後半は、チャイコフスキーの交響曲第4番。緊迫感が漂うファンファーレと憂いを帯びた旋律にはじまり、深い哀しみや儚さを経て華々しいラストを迎えるこの作品を、熱い魂をもつブダペスト交響楽団と小林が贈る。互いの厚い信頼で結ばれて半世紀という歳月を経た今、湧き出る芳醇な音の渦に身を任せて幸福な瞬間に出逢える時が待ち遠しい。
■出演
ハンガリー・ブダペスト交響楽団
指揮:小林研一郎
ピアノ:亀井聖矢
【プログラム】
★7/2(火) 東京公演
ロッシーニ:歌劇「セヴィリアの理髪師」 序曲
リスト:ピアノ協奏曲 第1番 変ホ長調 S.124/R.455 (ピアノ:亀井聖矢)
チャイコフスキー:交響曲 第4番 ヘ短調 作品36
★6/30(日) 石川公演、7/5(金) 愛知公演、7/6(土) 大阪公演
ロッシーニ:歌劇「セヴィリャの理髪師」序曲
リスト:ピアノ協奏曲 第1番 変ホ長調 S.124/R.455 (ピアノ:亀井聖矢)
チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 作品64