「江戸の出版文化-京伝、馬琴、牧之(ぼくし)と版元の人々-」
歴史の陰影に潜む人間像を鮮烈に描き出す時代小説の旗手・木内昇。緻密な取材と鋭い洞察で主要文学賞を次々と射抜き、現代文学に揺るぎない存在感を刻む作家が、『雪夢往来』(せつむおうらい)で第52回大佛次郎賞を受賞しました。これを記念し、木内氏による講演会を開催します。
【講演会にあたって木内昇からのメッセージ】
江戸時代、ほとんどの戯作者には潤筆料、つまり原稿料は支払われなかったと言われています。それでも人々は物語をつむぎ、版行を望みました。そこにある書き手の思いとは。山東京伝、曲亭馬琴といった江戸の人気戯作者と、地方からの発信を試みた鈴木牧之。好対照な足跡を追いつつ、彼らをとりまくあまたの版元の工夫や奮闘にも着目します。市井の人々を楽しませた出版文化とはどういったものだったのか、現代の出版界との比較も交え、考察できればと思います。