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ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2011

※公演内容は、当初発表のものから変更となりました。詳細は各公演プログラムにてご確認ください。

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タイタンたち


ラ・フォル・ジュルネ アーティスティック・ディレクター
ルネ・マルタンが「タイタンたち」の聴き所をご紹介!

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンの新たな冒険は、「タイタンたち」というタイトルで「後期ロマン派」の世界に皆さんをご案内します。ブラームスからリヒャルト・シュトラウスを経て新ウィーン楽派まで、1870年から1950年までの約80年間に生きたタイタン(巨人)たち-人間を超えた神話のタイタンにも喩えられるような巨匠たちの音楽を取り上げます。

この80年間に、ウィーンを舞台に音楽の革命が起きたのです。その大きな潮流がブラームスから派生しました。
ドイツ音楽の偉大な伝統に傾倒したロマン派の最後の大家ブラームスは、マックス・ブルッフマックス・レーガーをはじめとする19世紀後半の多くの作曲家や、20世紀初頭に活躍したアルノルト・シェーンベルクに、多大な影響を与えました。

同じ頃、もうひとつの重要な音楽の潮流が発展します。晩年のリストを崇拝し、「新音楽」の先導者ワーグナーの強い影響下にありながら、徹底的に音楽言語の一新を目指した潮流です。これに賛同したのが、オーストリアのブルックナー、マーラー、フーゴー・ヴォルフ、ツェムリンスキー、ドイツのリヒャルト・シュトラウスといった作曲家たちでした。

この相対する二つのドイツ音楽の潮流を統合し、20世紀初頭に新ウィーン楽派を創始したのがシェーンベルクです。彼の弟子ベルクヴェーベルンも、この新ウィーン楽派に加わりました。ブラームスの潮流と、ワーグナーやマーラー、リヒャルト・シュトラウスの潮流をそれぞれ受け継ぎつつも、独自の美学を発展させた新ウィーン楽派は、パウル・ヒンデミットハンス・アイスラーなどのドイツの作曲家たちに影響を与えました。

ルネ・マルタン
ルネ・マルタン
(c)Marc ROGER
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ボタンをクリックするとナクソス・ミュージック・ライブラリーの「熱狂の日」音楽祭「聴けるプログラム」で楽曲を視聴することができます(ぴあ以外のサイトに接続します)。

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【1】ロマン派最後の巨匠:ブラームス


ブラームス
ヨハネス・ブラームス
(1833-1897)

ブラームスは、ドイツ音楽の伝統を受け継ぐロマン派最後の巨匠です。彼は、過去の古典派音楽の形式美と、同時代のロマン派音楽の特徴である起伏に富んだ感情表現を、個性豊かに統合しました。ブラームスの音楽は19世紀末のヨーロッパ文化を反映し、以後の多くの作曲家たちに新しい扉を開いたのです。
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2011では、次のようなプログラムをご用意しました。

ブラームスの4つの交響曲(第1番[212]、2番[344]、第3番[244]、第4番[242])と協奏曲(2曲のピアノ協奏曲(第1番[215][313]、第2番[116][314])、ヴァイオリン協奏曲[111][315]、ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲[213][316])を全曲演奏します。

室内楽曲とピアノ独奏曲の傑作をさまざまなアーティストで聴き比べができます。4人のピアニストが登場する『ブラームスはお好き?』[184]という特別企画も用意しました。

ブラームスがシューマンの死を知って書きはじめ、母の死、クララ・シューマンの死を経て15年かけて完成させた傑作『ドイツ・レクイエム』を、ふたつの異なったバージョン(オーケストラ版[216]と四手ピアノ版[146])で上演します。ふたつのバージョンを聴き比べていただくことによって、ブラームスの魅力を再発見することができます。また、ブラームスの声楽作品もたっぷりとお届けします。

シューマンクララ・シューマンのピアノ協奏曲[141]が聴けるプログラムもご用意しました。

※[]カッコ内の番号は公演番号です。クリックすると公演情報ページにリンクします。

  • ♪ブラームス:交響曲 第1番 ハ短調 op.68試聴する
  • ♪ブラームス:交響曲 第2番 ニ長調 op.73試聴する
  • ♪ブラームス:交響曲 第3番 ヘ長調 op.90試聴する
  • ♪ブラームス:交響曲 第4番 ホ短調 op.98試聴する
  • ♪ブラームス:ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調 op.15試聴する
  • ♪ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 op.102試聴する
  • ♪ブラームス:ドイツ・レクイエム op.45試聴する

【2】先駆者:リスト


リスト
フランツ・リスト
(1811-1886)

後期ロマン派の先駆者リストは、作曲技法を革新した音楽史にとって非常に重要な存在です。シェーンベルクに先駆けてはじめて無調の音楽を書いたのもリストでしたし、教育にも力を注ぎ、多くの作曲家を育てました。ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2011では、今年生誕200年を迎えるリストの名曲の数々はもちろん、晩年の知られざる傑作も取り上げます。

リストの作品群の中でもとりわけ有名なピアノ独奏用の曲集の数々(「ラ・カンパネラ」、「愛の夢」など[156] )、ロ短調ソナタ[151][176][223][252][354]、ピアノ協奏曲(第2番[113][315])をご用意しました。

リストが晩年に書き上げた大曲『十字架への道』[134][158][334]を上演します。この曲は死を前にしたキリストが十字架を背負って歩く様子をピアノと合唱による14の場面で描き、深い瞑想へと聴き手を誘う名曲です。あまりに斬新な書法だったためすぐには演奏されず、初演はリストの没後50年経ってからでした。めったに演奏される機会がない曲ですので、この機会にぜひ聴いてみてください。リストの新たな側面、飾りを剥ぎ取った本質のみの美を発見していただけることでしょう。

※[]カッコ内の番号は公演番号です。クリックすると公演情報ページにリンクします。

  • ♪リスト:ラ・カンパネラ試聴する
  • ♪リスト:愛の夢試聴する
  • ♪リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S178/R21試聴する
  • ♪リスト:ピアノ協奏曲第2番 イ長調試聴する
  • ♪リスト:十字架への道試聴する

【3】後期ロマン派の黄金時代:ブルックナー、マーラー、R.シュトラウス


ブルックナー
アントン・ブルックナー
(1824-1896)

マーラー
グスタフ・マーラー
(1860-1911)

R.シュトラウス
リヒャルト・シュトラウス
(1864-1949)

オーストリア出身のブルックナーは、ドイツ語圏の音楽遺産を受け継いだ最後の偉大な交響曲作家といえます。ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2011では、次のプログラムをご用意しました。

4番[144]と7番[214]の交響曲が演奏されます。

オルガン奏者で敬虔なカトリック教徒であったブルックナーは、素晴らしい合唱作品モテットを残していますので、その魅力もお伝えしたいと思います。[183][234][243][384]

  • ♪ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」試聴する
  • ♪ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調試聴する
  • ♪ブルックナー:アヴェ・マリア試聴する

さて、1897年にブラームスが他界したのち、ドイツ語圏の音楽界を牛耳ったのは、マーラーとR.シュトラウスでした。マーラーは今年、没後100年を迎えます。二人はいずれも当時、第一線で活躍する名指揮者でした。また両者とも、管弦楽曲の作曲家として、常に大胆で革新的な作品を生み続けました。

マーラーの作品は、ロマン主義的なインスピレーションを元に作曲されていますが、その表現手段は非常に近代的で、19世紀から20世紀へ音楽の橋渡しをした作曲家です。ツェムリンスキー、シェーンベルク、ベルク、ヴェーベルンらは、マーラーから強い影響を受けています。ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2011では、次のプログラムをご用意しました。

交響曲第1番「巨人」[114][342]第5番より映画『ヴェニスに死す』で有名になった「アダージェット」[124][221][325]をお届けします。

マーラー唯一の室内楽であるピアノ四重奏曲[255]や声楽作品(『さすらう若者の歌』[193][391]『亡き子をしのぶ歌』[292]『リュッケルト歌曲集』[193][391])もお楽しみいただきます。

  • ♪マーラー:交響曲第1番 ニ長調 「巨人」試聴する
  • ♪マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調より 第4楽章 アダージェット試聴する
  • ♪マーラー:亡き子をしのぶ歌試聴する

R.シュトラウスは、素晴らしい交響詩と声楽作品そして多くのオペラを残しています。とりわけ女性の声のために作曲することを好んだR.シュトラウスは、その驚くほど長期にわたる創作活動の中で、力強く官能的な音楽を書き続けました。ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2011では、次のプログラムをご用意しました。

交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』[312]、『メタモルフォーゼン』(弦楽オーケストラ版[124][325]と2台ピアノ版[251])が演奏されます。

ソプラノ歌手の妻のために作曲した晩年の傑作『四つの最後の歌』[316]が、今年の東京のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンの最後を締めくくることになります。

  • ♪R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」 op.30試聴する
  • ♪R.シュトラウス:4つの最後の歌試聴する

[]カッコ内の番号は公演番号です。クリックすると公演情報ページにリンクします。


【4】現代音楽の誕生:新ウィーン楽派


シェーンベルク
アルノルト・シェーンベルク
(1874-1951)

ベルク
アルバン・ベルク
(1885-1935)

20世紀初頭になると、シェーンベルクの登場により、音楽史上に劇的な変化が起きました。無調音楽の発明です。シェーンベルクは「新ウィーン楽派」と呼ばれる作曲家たちのリーダー的存在で、弟子のベルクとヴェーベルンがこの楽派に加わりました。シェーンベルクは、ワーグナーとマーラーから深い影響を受けながら、ブラームスの遺産を否定することなく受け継いで、作曲技法の一新と新たな音楽形式の追求を進めていきました。今年は、これまでのラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンで取り上げられてこなかった新ウィーン楽派の作曲家たちの斬新な響きに満ちた作品を発見していただけることでしょう。

シェーンベルクの『浄夜』(室内楽版[125][321]と弦楽合奏版[122][221])『月に憑かれたピエロ』(室内楽版[137]とダンス版[346] )歌曲[193][391]室内楽[132][237][255]、またシェーンベルクの影響関係をたどる企画コンサート『シェーンベルクへのオマージュ』[255]がプログラミングされます。『月に憑かれたピエロ』は、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンの歴史の中でも特筆すべき事件になることでしょう。

ヴェーベルンのピアノ独奏曲[177][365]室内楽曲[133]、ベルクの代表作である『室内協奏曲』[226]『ヴァイオリン協奏曲:ある天使の思い出に』[115]もお届けします。『ある天使の思い出に』は、20世紀前半に書かれた多くの音楽作品の中の最高傑作のひとつといえます。驚くことに、今年のナントの大ホールの演目で、最初に売り切れたのがこのコンサートでした。

シェーンベルク、ベルク、ヴェーベルンは、ヨハン・シュトラウスを大変尊敬し、シュトラウスのワルツを編曲しています。ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2011では、『ウィーンのワルツ』[123]『ウィーン1925年』[226]というプログラムでその一部をお楽しみいただけます。

見事な歌曲を残したヴォルフ、ブラームスの信望者でシェーンベルクとベルクに擁護されたレーガー、『葬送曲』[122]を書いたヒンデミット、シェーンベルクの弟子アイスラーらの知られざる傑作[255]の数々もご紹介します。

マーラーやリストが敬愛し、多くの編曲作品を書いたシューベルトについても、交響曲(第2番[341]、第3番[343]マーラー編曲の「死と乙女」[142][323]リスト編曲の「さすらい人幻想曲」[341]などを取り上げます。どうぞご期待ください!

※[]カッコ内の番号は公演番号です。クリックすると公演情報ページにリンクします。

  • ♪シェーンベルク:浄夜 op.4試聴する
  • ♪シェーンベルク:月に憑かれたピエロ op.21試聴する
  • ♪ヴェーベルン:ピアノのための変奏曲 op.27試聴する
  • ♪ベルク:ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」試聴する
(c)Jiří Votruba