夏も終わりかけた頃、隅野清輝は避暑地にある叔父の別荘にいた。
小路を挟んで隣にある屋敷には、宮丸香澄という女優が暮らしていた。
そこには何人もの男たちがいて、彼女を常に囲んでいた。
香澄は決して媚びることなく、つまり自らの品格を落とすことなく男たちを魅了することに成功していた。
頻繁に繰り返される、屋敷でのパーティー。男たちの中心に女王のように君臨する香澄。
そんな男たちの中に入ることを拒否していた清輝も、やがてそのただ中に巻き込まれ、翻弄されている。そしてある日、事件が起こる。その衝撃的な事件をきっかけに、清輝は自分の中に生まれた狂気を感じ、別荘を跡にする。
それから二年後の夏。清輝は再び叔父の別荘を訪れた。
外壁のペンキはすっかりはがれ落ち、以前よりさらにみすぼらしくなっていた。
立ち去ろうとしたその時、窓の奥に人影が見えた。
次の瞬間、清輝がその窓の中に見た衝撃的な光景とは……。
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登場人物
清輝(シナリオライター志望の青年)……高橋一生
香澄(女優)……野波麻帆
森定(青年実業家)……小林高鹿
貴枝(清輝の従姉)……ぼくもとさきこ
金久(香澄の屋敷の招待客)……玉置孝匡
順二(金久の部下)……吉川純広
ハガネ(香澄の付き人)……近藤フク
清輝の女友達……内田亜希子
是松(香澄の屋敷の招待客)……河原雅彦 |