すぅ
――4thシングル「I×U」を完成した、Silent Siren(以下、サイサイ)。冬、失恋をテーマにしたバラードソングながら、すぅさんの歌声にすごく温かみも感じる曲になりました。
ゆかるん: これからの寒い季節にぴったりのメロディと歌詞になっていて。女の子だけでなく、男の子にも共感してもらえる曲になったと思うし。いま彼氏や彼女がいて、幸せな人に聴いてもらっても、改めて隣にいる人の大切さが分かってもらえるんじゃないか? と思うので。性別も年齢も関係なく、色んな人に聴いて欲しい曲になりました。
すぅ: この曲は私が歌詞を書いたんですけど、どんな人の状況にも当てはめやすいように、過去のことはあえて具体的に書いていないんです。失恋の経験は誰にもあると思うので、好きだった人の存在や仕草とか、一緒にいた時の温もりを思い出してもらって。聴いた人が歌詞に入り込みやすいように、すごく考えて書きました。「あの冬の風景を思いだす」とか、「冬になると聴きたくなる」と思ってもらえる、冬を代表する曲になれば嬉しいですね。
ひなんちゅ: 曲がスッと心に入ってくるんですよね。私たち自身もまだ、「ビーサン」をライブで演っている時期に作った曲なので、バラードに気持ちがついて行かない感じがあったんですけど。この曲は何曲もある候補曲の中から、「この曲がいい!」って全員一致で選んだ曲で。「ビーサン」で私たちを知った人はビックリするかもしれないけど、みんなもきっと良いと思ってくれると信じてます。
あいにゃん: サイサイって最初は、ポップでキュートってイメージだったと思うんですけど、「ビーサン」でロック要素も出して、そこからのバラードっていうふり幅で、サイサイの持っている色んな面を出せたらいいなと思っていて。カップリングの曲も全然ジャンルの違う曲なんですけど、どれもサイサイらしさが絶対に入ってると思っていて。3曲全部聴いてもらったら、きっと気に入ってくれる曲があると思っています。
ひなんちゅ
――間もなくデビュー1周年ですが、こうして色んなタイプの曲で様々な感情が表現出来るようになったことに、自分たちの成長を感じたりします?
すぅ: それは感じますね。やっぱり私たち、“読者モデル”というところで、ちょっと気取ってるようなイメージがあるかも知れないんですけど、楽器もしっかり練習しているし、曲も歌詞もしっかり自分たちで考えていて。自分たちの秘めている部分や切ない感情、秘めた想いを表現することで、私たちが音楽で包み隠さず表現していることが分かってもらえたら嬉しいし。自分たちのダサい部分も含めて、素直に書こうと思って歌詞を書いてます。シングル収録曲「まだ見ぬ明日を」もすごくネガティブな歌詞で、普段はそういう部分を人に話さないタイプなんですけど、音楽では隠さず伝えたいと思って書きました。
――バラードということで、演奏面も伝えるという部分は難しかったと思いますが?
ゆかるん: イントロとアウトロが私のピアノのソロで、そこでいかに「I×U」の世界を作れるか? というところがあったので、空気感をすごく大事にして弾きました。
ひなんちゅ: ドラムは少しでも息が合わなかったり、1音でも外してしまうと感動が半減してしまうので。技術的にというよりは、伝えるって部分が難しくて。
あいにゃん: 演奏自体はシンプルですけど、バラードこそ一音一音に気を遣わなきゃいけないので、すごく集中しながら身体でリズムをとって。ライブだったらすぅのMCとゆかるんのイントロから世界に入り込んで、曲全体のストーリーを感じながら演奏しています。
すぅ: ピアノがメインで、それだけでも成立してしまう曲ですけど、それぞれの音が支え合って、温かみのある音や張りつめた感じで冬らしさを演出していて。シンプルで最低限なことしかしていないからこそ、難しかった部分はありますね。
あいにゃん
――「I×U」はライブでもひとつ魅せ場になる曲だと思うし、シングル収録曲「LOVE FIGHTER」もライブでの手拍子やかけ声が安易に想像できる曲になりましたが。ライブもだんだん変化、進化していってるんじゃないですか?
ひなんちゅ: そうですね。単純に今はライブがすごく楽しいし、よりサイサイらしさが出せるように、演奏はもちろんMCやパフォーマンスも、「こうした方がいいんじゃないか?」ってみんなで話すようになって。どうしたら、ライブに来てくれた人全員が楽しめるようになるか? というのを、今まで以上に考えるようになりましたね。サイサイのライブって、「見に行こう」じゃなくて、「ライブをしに行こう」くらいの気持ちで来てもらえるような、お客さん参加型ライブを目指していて。帰り道、「今日、一緒にライブやって楽しかったね」って気持ちになって欲しいんです(笑)。
――11月から始まる全国ツアーはどんなライブになりそうですか?
ひなんちゅ: 今、ツアーの打ち合わせの真っ最中なんですけど。「ビーサン」でサイサイを知って、初めてライブを見てくれる人も多いと思うので。「またライブに来たいな」とか、「もっとサイサイのことを知りたいな」と思ってもらえるような、エンターテイメント性に富んだライブにしたいなと思ってます。“サイサイ一歳祭”なので、一年間積み上げてきたものを全部爆発させて、祭りのように盛り上げますよ!
すぅ: 冬のお祭りをやりたいよね。ライブ、楽しみだなぁ!
――デビュー1年を振り返ってみて、長かったですか? 短かったですか?
あいにゃん: アッと言う間でした! 毎日くらいメンバーといて、ギュッと詰まってました。
ゆかるん: でも、一緒にいて飽きないよね? 5年後も10年後も、このままなんだろうなと思うんです。この4人の関係性は、ずっと変わらないと思います。
ゆかるん
――サイサイはいま、注目が集まっているガールズバンド・シーンに括られることも多いと思いますが、それは嬉しい? 正直、メンドくさい?(笑)
ひなんちゅ: 単純に嬉しいです! もともと、SCANDALやねごとは私が高校生くらいから見ていたし、みんな同い年で。その括りの中に入っているのが嬉しいし、すごく不思議ですね。あと、ガールズバンドと言ってもどのバンドも個性があるし、ライブの魅せ方も全然違って。私たちもサイサイらしさが出せるようになってきてるのかな? と思いますね。
――他のガールズバンドと、対バンで一緒になる機会も多いですか?
ひなんちゅ: それがあまりないんですよ! だから、ガールズバンドだけのフェスとか、あればいいんですけどね。色んなガールズバンドが出演する中で、「このバンドはカッコいい!」とか、「アイドルノリで盛り上がれる」とか、お客さんも自分の好みのバンドを見つけたりして。みんなで盛り上げていければ良いのになぁと思ってるんですけど。
――もう、チケットぴあ主催でガールズバンド・フェスを開催してもらいましょう!
あいにゃん: 本当にやりましょう! 10組くらい集まったら、絶対に楽しいですよ!! そういう中に入った時にも、他にない自分たちらしさを出せるバンドになっていきたいですね。
――「ガールズバンドあるある」って、何かあります?
あいにゃん: 楽屋で常に誰かが話してるとか? 会話が飛び散らかってますね。
すぅ: もう、ずっとウルサいよね(笑)。
――あははは。ガールズバンドあるあるは、“うるさい”だって(笑)。
すぅ: 4人揃うとずっと誰かが喋ってるし、小学生みたいなフザケ方をするんです。すっごいクダラないことで、ずっとゲラゲラ笑い合ってます。
ひなんちゅ: それは「サイサイあるある」だよね? ゴミを誰かのカバンに入れて、気付くのを待ったり、“やることが低レベル”っていうのは、サイサイあるある(笑)。
すぅ: 変なストラップを誰かの携帯につけて、気が付いたら違う人のストラップに付け替えたり(笑)。ほんっと、やることが低レベルだよね!?
ひなんちゅ: あと、SCANDALやねごととも話したんですけど、“メンバーに一人は必ず、遅刻魔がいる”っていうのは「ガールズバンドあるある」みたいですね。
――へぇ~、そうなんだ! サイサイの遅刻魔は?
あいにゃん: ドキッ! (小声で)朝、起きれないんです。最近はすぅと支え合って、起きたらLINEしたり、待ち合わせたりして気を付けてるんですけど……。
ひなんちゅ: だから、二人いない時もあるんですよ(笑)。
text by フジジュン
チケットぴあ/ガールズバンド特集「Silent Siren」のインタビューページです。
すぅ(吉田菫) (Vocal & Guitar)
ひなんちゅ(梅村妃奈子) (Drums)
あいにゃん(山内あいな) (Bass)
ゆかるん(黒坂優香子) (Keyboard)
2010年夏、結成。2年後の2012年2月8日、デビューアルバム『サイサイ』をリリース。数々のイベント出演や、ツアーを成功させ、同年11月14日、シングル『Sweet Pop!』にてメジャーデビュー。今年もシングル、アルバムリリース、さらにはZepp DiverCity Tokyoをファイナルとしたツアーも決定と、勢いを加速し続ける大注目のガールズバンド。
2013年10月30日、4thシングル 「I×U」(読み:アイ・ミス・ユー)をリリース。本作は、シングルとしては初のミディアムバラードとなっており、秋冬のセツナイ季節にぴったりのチューンとなっている。
「I×U」
2013-10-30 RELEASE
■通常版 1,300円(税込) MUCD-5237~5241