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チケットぴあインタビュー

宮澤ミシェル

宮澤ミシェル
7月31日に、ブンデスリーガを代表するFC バイエルン・ミュンヘンとVfLボーフム1848の2チームが来日する。さいたまシティカップ2008でFC バイエルン・ミュンヘンは浦和レッズと激突。小野伸二が所属するVfLボーフム1848は日産スタジアムにて、横浜F・マリノスと対戦する。ブンデスリーガの魅力、今回の試合の見どころを宮澤ミシェル氏が展望する。

 

――今回、「さいたまシティカップ2008」ではドイツの強豪、FC バイエルン・ミュンヘンが来日して浦和レッズと戦います。また、同じく小野伸二が所属するVfLボーフム1848も横浜F・マリノスと対戦するために来日します。ともにブンデスリーガのチームですが、ドイツサッカーの特徴を教えてください。

「ドイツのサッカーというと、これまでは手堅いサッカーという印象がありましたが、今、ドイツのサッカーは変わろうとしている時期にあります。ブンデスリーガはもちろん世界のトップリーグのひとつではありますが、リーガ・エスパニョーラ、セリエAなど、他にも魅力的なリーグはある。彼らもそれを分かっていて、ナンバーワンになるために、伝統を守るだけでなく、新たなものを取り入れて、ナンバーワンを目指そうとしている。ドイツのサッカーは今まさに、その過渡期にあると思うんです」

――変革を進めているドイツサッカーをリードしているのが、FC バイエルン・ミュンヘンですよね。

「FC バイエルン・ミュンヘンもまさにここ数年で変わろうとチームを改革しています。今まで移籍金の限度額を設けていたにもかかわらず、昨シーズンはそれを破ってセリエAのフィオレンティーナからはルカ・トニ(イタリア代表)、リーグアンのマルセイユからはフランク・リベリー(フランス代表)といった新戦力を獲得したという事実がそのひとつですよね。
また、ユルゲン・クリンスマンという若い指揮官を招聘したのも、その表れです。クリンスマンは、とても柔軟性のある人物。現役引退後にアメリカへ渡り、彼はいろいろなことを学んだ。そしてドイツ代表監督に就任した際に、チームにカウンセラーを迎え入れたり、伝統を重んじていたドイツでは考えられないような新たな試みをした。柔らかい考えもあるんだぞ、新しいことを取り入れる必要もあるんだぞってことをドイツに広めた人物でもある。その柔軟性は、今のドイツの選手たちに合っているとも思います」

――ドイツ代表監督として実績を残したクリンスマン監督率いるFC バイエルン・ミュンヘンには、ユーロ2008で準優勝したドイツ代表のメンバーがたくさんいますよね。

「バスチャン・シュヴァインスタイガー、ルーカス・ポドルスキ、ミロスラフ・クローゼ、フィリップ・ラーム……。加えて、ハミト・アルティントップ(トルコ代表)、トニ(イタリア代表)と、他にもユーロ2008に出場した選手が多く所属している。昨シーズン、ユーロ2008で大活躍したポドルスキとシュヴァインスタイガーがなかなか試合に出られなかったほどの戦力ですからね」

――そのバイエルン・ミュンヘンと浦和レッズが激突するわけですが、見どころはどこですか?

「浦和レッズとFC バイエルン・ミュンヘンは、さいたまシティカップで、2006年にも対戦していますよね。そのときは浦和レッズが1―0でFC バイエルン・ミュンヘンを下している。実は、ユーロ2008の取材でヨーロッパに行った際、ドイツの人に、FC バイエルン・ミュンヘンにとって、さいたまシティカップはどういう位置付けなのか聞いてみたんです。『シーズン開幕前の調整試合だよ』って答えるだろうと思っていたのですが、予想外の回答が返ってきました。私自身も驚いたのですが、実はチーム、ファンにとって、あの敗戦は未だにしこりが残っているものなのだそうです。前回、浦和レッズに敗れたシーズン、FC バイエルン・ミュンヘンはリーグ戦で優勝するどころか好成績を残すこともできなかった。ファンにとっては、シーズン開幕前の試合で好スタートを切れなかったことが要因のひとつだと思っているようなのですね。そう現地で言われているだけに、今回は何としても浦和レッズに勝たなければならない。だから、思っている以上に、FC バイエルン・ミュンヘンは本気でぶつかってくると思いますよ」

――ドイツ国内でFC バイエルン・ミュンヘンというクラブは、「勝って当たり前」という存在ですからね。

「そう。彼らはヨーロッパを代表するようなビッグクラブ。いくらシーズン開幕前の試合だからといって、やはり負けるわけにはいかない。その一方で、浦和レッズも同じ状況ですよね。浦和レッズはシーズンの合間で、コンディション的にはハードな中で試合をするわけですが、彼らにもホームで試合をする以上、負けられないプライドがある。なめられてたまるかっていうね。FIFAクラブワールドカップ ジャパン2007で3位になり、アジアチャンピオンでもあるわけですから。恥ずかしい試合は見せられないはず。今回のさいたまシティカップは、両者にとって、そういった位置付けや因縁があります」

――横浜F・マリノスと試合をするVfLボーフム1848はどういったクラブなのですか?

「FC バイエルン・ミュンヘンより力は落ちますが、彼らはシャルケ04、ボルシア・ドルトムントといった強豪チームと同じ地域に本拠地を構えるクラブで、彼らと競い合い磨かれてきたクラブでもある。今回の来日では、選手たちがみんな小野伸二のため恥ずかしい試合は見せられないという強い気持ちで戦ってくれるでしょう」

――この試合の見所を教えてもらえますか?

「やはり小野伸二ですよね。彼がプレーしているチームが、どういったサッカーを見せてくれるのかが楽しみ。また小野は、VfLボーフム1848に移籍してすぐにレギュラーとしてプレーした。浦和レッズでは出し切れていなかった小野らしさが、VfLボーフム1848というチームで出せているのかを見たい。オランダでプレーしているときも、そのテクニックやボールコントロールは絶賛されていた。きっと、今のチームでも彼の技術は群を抜いているはず。その彼を、VfLボーフム1848というチームはどう生かそうとしているのか、どう生かしているのか。これは見ものだと思いますよ」

――すでにチームの中心としてプレーしている小野のために、チームメートも本気になると?

「それは間違いないでしょうね。小野自身も、オレのプレーを見せてやる、オレのチームを見せてやるって思っているだろうしね。VfLボーフム1848は、FC バイエルン・ミュンヘンほどビッグクラブではないだけに、そうそう遠征してプレシーズンマッチをやる機会はない。それだけに、ブンデスリーガを日本に広める、VfLボーフム1848というクラブの知名度を高めるという、使命感は強いはず。浦和レッズ対FCバイエル・ミュンヘン戦も、横浜F・マリノス対VfLボーフム1848戦も、プレシーズンマッチとはいえ、それぞれのプライドを懸けた一戦になると思います」



取材・文/原田大輔  撮影:新関雅士

宮澤ミシェル

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プロフィール

1963年7月14日生まれ。千葉県出身。86年、フジタ工業サッカー部(現・湘南ベルマーレ)入団。88年には天皇杯準優勝を経験。92年に東日本JR古河FC(現・ジェフユナイテッド市原・千葉)に移籍。DFとして活躍し、96年に現役引退。その後、活躍の場をサッカー解説者に移し、NHK衛星放送サッカー解説者、NHK総合テレビジョン「サタデースポーツ」Jリーグコメンテーターなどを務め、分かりやすい解説で視聴者からの人気を集めている。