――オフ・ブロードウェイで5003回ものロングランを果たした作品ということですが、ご覧になったことは?
「有名なので当然知ってはいましたが、ニューヨーク滞在中は観たことがなくて…。台本を読んで、お話の展開のリズムが速すぎず遅すぎず、でも精神状態の変化にも似たスピード感が面白いなと思いました。4人の役者が次々にいろんな愛の形を演じ分けていく内容についても惹かれました。僕は恋愛って人間が生きていく中で空気や水と同じくらい大切なものだと思っているし、誰かを大切に思う気持ちは今日本が、世界中がこんな時期だからこそより強く感じ、必要なんじゃないかと思うんですよ」
――共演は中川晃教さんと白羽ゆりさん、そして神田沙也加さんの3人。
「初共演ですが、個性的な方たちばかりで楽しみです。僕が一番お芝居の経験が少ないので、彼等から学ぶと同時に、お芝居経験の浅い僕からも何かを伝えられたらいいなって。仲良くやりたいのはもちろんだけど、稽古と本番を過ごす中でお互いに何か思うことが出てきたら、そこもちゃんと見つめて役に生かせれば。それは08年と10年に出演した『RENT』で学んだことですね」
――本作でも素晴らしい楽曲と、それを歌う米倉さんが楽しみですが、アーティストとして歌うことと役者としてのそれの違いはありますか?
「ミュージカルに参加することで、自分の中で音楽のジャンルの壁がどんどん外れていっている気がします。ミュージカルの音楽ってジャンル関係なく作品自体がオリジナルで、"この作品の音楽です"としか言いようがない類のものばかりなんです。その曲達をどう消化するかっていう意味では、アーティストとして歌っているときとあまり区別はないんだなと感じています。実際、ライブでも歌詞に対する捉え方の幅が随分広がったんですよ」
――08年の初舞台以来、ミュージカルの良作に年1~2作のペースで出演されていますよね。米倉さんならではの存在感が、日本のミュージカルシーンにいい影響力を与えていると思うのですが。
「『RENT』への熱心なオファーを頂いて初めて出演した時、無我夢中ながらそこに新しい扉があるのが分かったんですね。まだまだお芝居のことは分からないですけど、その扉を閉めたくないっていう気持ちでここまで歩き続けている気がします。本作でもジョエル(オフ・ブロー ドウェイでのオリジナルの演出家であり、今回の日本版でも演出・振付を担当)に、『ブロードウェイ版の再現ではなく日本でのオリジナル版にしたい』と言われているので、その期待に応えられるように頑張りたいと思います。」
▼オフ・ブロードウェイミュージカル「I LOVE YOU,YOU'RE PERFECT,NOW CHANGE」
10月8日(土) ~ 23日(日) 東京グローブ座(東京都)
11月3日(木・祝) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール(兵庫県)
11月5日(土) キャナルシティ劇場(福岡県)
[出演]中川晃教 / 白羽ゆり / 神田沙也加 / 米倉利紀
□一般発売:
東京=7月10日(日) 10:00
兵庫=7月30日(土) 10:00
福岡=8月21日(日) 10:00