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チケットぴあインタビュー

「欲望という名の電車」 松尾スズキ

「欲望という名の電車」 松尾スズキ
妹のステラと再会するため、「欲望」という名の電車に乗り、「天国」という街にやってきた上流家庭出身のブランチ。しかし粗野なステラの夫・スタンリーとの生活が、ブランチを徐々に狂わせていき……。テネシー・ウィリアムズの不朽の名作『欲望のいう名の電車』に、松尾スズキが挑む話題作。松尾の演出手腕により、この名作はいかなる変容を遂げるのか?

――松尾さんと『欲望という名の電車』という組み合わせが意外な気もするのですが……。



「以前『女教師は二度抱かれた』という芝居をやった時に、『欲望~』から設定を借りたんですよ。女教師が生徒と問題を起こして学校を辞める、みたいな。そこからいろいろと妄想を広げていって、話を作っていったところがあるので、今度は本家の方をじっくり演出してみたいなと思ったんです」



――『欲望~』という作品が、松尾さんほか、これほど多くの人々を惹きつけるのはなぜだと思いますか?



「やっぱり人は不幸が好きなんじゃないでしょうか。で、この作品は不幸の描かれ方が上手過ぎるほど上手。だからその不幸に魅了されて演じてみたいと思うのでしょうし、演出してみたいと思うのかなと。余裕があれば、僕もスタンリーやりたかったですからね。ただあまりにせりふが多いので、これは無理だなと(笑)」



――ブランチ役に秋山菜津子さんというのは、これまでやられていないのが不思議なほどハマリ役ですね。



「そうですよね。秋山さんってきつい役柄を振られがちなんですけど、女性の“はかなさ”や“もろさ”もきちんと表現出来る女優さん。僕が思うに、ブランチって女性には人間のすべてが詰まっていると思うんですよ。光の当たる角度で見え方がまったく変わってくるというか。かわいさも、怖さも、優しさも、残酷さも、本当にいろんな要素を持っている人。だから秋山さんには、秋山さんの仕事の集大成を、このブランチ役で見せて欲しいなと思っているんです」



――また気になるのは、松尾さんが演出することで、この名作がどう変化していくのか?ということです。



「みんなが期待するような、とんでもないものを作ろうとは思いません(笑)。でも結果的に、とんでもないものになればいいなと。自分の中のガキの部分をちょっと殺して、大人っぽい、色気のある世界を作りたいですね」



――これまでのような松尾節は封印する、と?



「翻訳劇とはいえ、僕がやるからには、やはり僕の作品だと思って作ります。だからそれは言葉というよりも、ある種の空気感で“節”を感じてくれればいいなと思いますね」




取材・文:野上瑠美子 撮影:源賀津己


▼「欲望という名の電車」
4月12日(火) ~ 5月1日(日) PARCO劇場 (東京都)
5月7日(土)・8日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ (大阪府)
5月10日(火) 名鉄ホール (愛知県)
[演出]松尾スズキ
[出演]秋山菜津子 / 池内博之 / 鈴木砂羽 / オクイシュージ / 猫背椿 / 村杉蝉之介 / 顔田顔彦 / 河井克夫 / 小林麻子 / 桔川友嘉 / 井上尚
□一般発売:東京=2月26日(土) 10:00
        大阪=3月13日(日) 10:00
        愛知=3月12日(土) 10:00