秋山「実は、私がどうこうというより、周囲の方に「演らないの?」「そろそろイイ時期じゃない」など勧められることが多かったのが『欲望という名の電車』のブランチ役だったんです。あまり若いとできない役だからだと思うんですが、そういうことを言われる機会が最近割と増えていて。」
池内「自分から「やりたい」じゃなく、周りの方に勧められるって素敵ですよね。僕なんか舞台を観たことなかったんですよ。」
秋山「テネシー・ウィリアムズ作品の中では、上演機会は多いと思うけれど、そういえばここ数年は目立った上演はなかったかも。」
鈴木「私は新劇劇団の養成所に入っていたので、そこで一番最初に聞いた戯曲の名前が『欲望~』でした。」
秋山「え、砂羽さん新劇出身?」
鈴木「出身と言うとなんですけど(笑)、文学座の研究生でした。」
秋山「じゃあ『欲望~』なんて杉村春子先生の大看板的作品じゃない!」
鈴木「そうそう、「これは大巨匠の作品で……」てなことを、研究生なんかは先輩方から思い切り言われるわけです。二十歳の頃なのでそうとう昔ですけど、授業のエチュードなんかで『欲望~』の一場面をやったりしました、研究生同士で。だから作品というより教本みたいな感じで、色々と想い出が蘇ります。」
秋山「じゃあ作品をよく知っているんだ。」
鈴木「それが「観たいなぁ」と思いつつ、上演されたものは観ていないまま結構時間が経っちゃって。それに、自分からはあまりやりたいと思わなかったんですよね。古典ではないけれど、こういう大スタンダードの翻訳劇を自分が演じるというイメージが、今までは湧かなかったんです。 でも秋山さんみたいに「そろそろ年齢的にブランチやれるんじゃない?」なんて人から言われるなんて、ちょっと女優冥利に尽きる感じですよね。」
秋山「うん、すごく嬉しい。」
鈴木「そんな大先輩の妹役をやれるなんて……。」
秋山「大先輩じゃないから!(笑)。でもステラだって、とても良い役でしょ。
鈴木「そうそう、皆に言われました。文学座繋がりだと寺島しのぶさんが演じてらっしゃるし、自分にとって新境地が見えそうだなって、すごく楽しみなんです。」
秋山「しかも演出が松尾さんだし。」
鈴木「斬新な新境地って感じですね(笑)。」
池内「比べると、本当に僕は作品について何も知らない状態ですよ。スタンリーはスゴい先輩方がやってきた役だってことを知っていたくらいで、映画も出演のお話を頂いてから観たくらいだし。」
秋山「古いほうだよね?」
池内「ええ、深い映画だなぁと思ったのと、スタンリー役のマーロン・ブランドがカッコ良すぎて「……どうしよう」と戸惑いました(女性陣笑)。」
鈴木「M・ブランドはハードル高いでしょう。」
▼「欲望という名の電車」
4月12日(火) ~ 5月1日(日) PARCO劇場 (東京都)
5月7日(土)・8日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ (大阪府)
5月10日(火) 名鉄ホール (愛知県)
[演出]松尾スズキ
[出演]秋山菜津子 / 池内博之 / 鈴木砂羽 / オクイシュージ / 猫背椿 / 村杉蝉之介 / 顔田顔彦 / 河井克夫 / 小林麻子 / 桔川友嘉 / 井上尚
□一般発売:東京=2月26日(土) 10:00
大阪=3月13日(日) 10:00
愛知=3月12日(土) 10:00
秋山菜津子
池内博之
鈴木砂羽