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@ぴあインタビュー

【後編】「欲望という名の電車」 秋山菜津子×池内博之×鈴木砂羽

【後編】「欲望という名の電車」 秋山菜津子×池内博之×鈴木砂羽

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【後編】

演出家・松尾スズキの佇まいはいかに?
作品との出会いから、まったく違う三人だが、劇中では濃密な愛憎劇を演じることになる。


秋山「私は濃い作品に出ることが多いけれど、今回は一段と濃厚な関係をお二人と演じることになりますよね。」



鈴木・池内「(反射的に)よろしくお願いします!」



秋山「松尾さんがどんな演出をするかで、作品の元々のイメージからもまた変化がありそうだし。どうなっちゃうんでしょうね。私は松尾さん演出で、やはり大スタンダードの『キャバレー』に参加させて頂いたんだけれど、その時は台詞などは松尾テイストになった部分もあったんですよ。でも、今回は本は一切いじらないって言ってらっしゃるし。」



池内「僕は松尾さんは全くの未経験です。」



鈴木「私はデビュー作の映画で松尾さんとご一緒しているんですが、それ以降はまったく交わることなく今回に至りました(笑)。大人計画を観に行って、飲み会に参加したりはあるんですけれど。」



秋山「もっと色々出ているのかと思ってた。」



鈴木「違うんですよね。だから松尾さんとご一緒できるのも楽しみのひとつ。秋山さんは松尾作品は知り尽くしてますよね。」



秋山「そんなことないですよ、私だって最初は驚きも戸惑いもしましたし。まあ、結局は素直に身を任せましたが(笑)。松尾さんはね、とにかく色々仰ってくれるんですよ。最初は「なぜこんな変な顔、変な形を?」とか思うかも知れないけれど、腑に落ちる瞬間があるんです。松尾さんは絵も描くでしょ? ああいう漫画的な構図が、演出しながら頭に浮かぶんじゃないかな。それに従って素直にやってみると、自分では思いもつかなかった面白さを発見できたりしますよ。  今回はどうかなぁ、何せ本が松尾さんの戯曲じゃないし。」



鈴木「でもだからこそ、翻訳劇をどこか避けてたような私にも「演出が松尾さん」というのは、とても良いチャンスだとは思っているんです。私は池内さんと一緒にやったパルコ劇場さんの『LOVE LETTERS』が、ほぼ唯一の翻訳劇体験なんですが、あの時も背景とかが難しくて・・・。」



池内「確かに。あれは大昔じゃないぶん、微妙な違いとか時代感がありましたよね。」



鈴木「そうそう、リハーサルとかもお勉強感覚だった。でもこのお話を頂いた時は、「スタンダードがやってみたい!」と心から思えたんです。」



秋山「松尾さんも「日本ならではの『欲望~』を」と仰っていたから、やりたいことはきっと明確にあるんでしょうね。池内さんは翻訳劇が多いでしょ?」



鈴木「ガイジンバリエーションが豊富だよね。」



池内「割と最近続きましたね。イギリス人、ロシア人、ギリシャ人みたいな感じで。」



秋山「その顔は……ロシア風じゃないよね(笑)。」



鈴木「どちらかと言えばコーヒー豆作ってそうだもんね(笑)。」



池内「顔はともかく! でも僕が出演した翻訳劇は古典や古典のテイストのものが多いんですよ。登場人物全員がやたら喋る、台詞の分量が半端じゃない台詞劇。だから、この戯曲を読んだときは逆に台詞回しとか「どうすればいいんだろう……」と見当がつきませんでした。」



秋山「台詞は現代劇に近いものね。古典戯曲への向かい方とか、特別にあるの?」



池内「もう、ひたすら覚えるしかないですよ。やることは一緒というか、僕の場合、稽古をやっていくうちに見えてくるものが、いつもとても多いので。」



秋山「確かに「やっていくうちに見えること」は、どんなジャンルのものをやっていても大事だし、私も動いてみないとわからないタイプだから。松尾さんは私にとって、いつも意外なものを引き出して下さる演出家。しかも自分だけでは決して出せない「痛いところ」を引き出して下さるんですよ。だから初めてならなおさら、きっと得るものは大きいんじゃないかな、と思う。 鈴木 私は事前に考えたりするより、本当に飛び込むような作り方が好きで、時にはわざと準備せずに行くみたいなこともするくらいなんです。だから秋山さん、池内さん、他の共演の方と一緒に松尾さんと芝居を創る時間全部がほんとーに楽しみです!」



池内「緊張はしますけど、楽しみなのは僕も一緒です。」



秋山「池内さんには経験を活かして、「もっと本読みをきちんとしたほうが良いんじゃないですか」とか言って欲しくない?」



鈴木「言って言って(笑)。」



池内「言えません!っていうか必要ないと思うなぁ。」



秋山「松尾さんが新劇の演出家みたいな佇まいで稽古場に入って来たらどうしよう。」



鈴木「ベレー帽にパイプを咥えてとか?(爆笑)。」



秋山「この予測のつかなさも含めて、すごく面白い芝居づくりになりそうな期待がすごく大きくて。誰も観たことのない日本ならではの『欲望~』、頑張らなきゃ!」



鈴木「妹として着いて行きます!」




▼「欲望という名の電車」
4月12日(火) ~ 5月1日(日) PARCO劇場 (東京都)
5月7日(土)・8日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ (大阪府)
5月10日(火) 名鉄ホール (愛知県)
[演出]松尾スズキ
[出演]秋山菜津子 / 池内博之 / 鈴木砂羽 / オクイシュージ / 猫背椿 / 村杉蝉之介 / 顔田顔彦 / 河井克夫 / 小林麻子 / 桔川友嘉 / 井上尚
□一般発売:東京=2月26日(土) 10:00
        大阪=3月13日(日) 10:00
        愛知=3月12日(土) 10:00