――石田三成という人物をどのように捉えていらっしゃいますか?
「脚本の大石静先生は、下剋上の世の中で裏切りが当たり前の時代に、ただひとり義を貫いたとても清廉潔白な人物として三成を描かれています。間違ったことを嫌い、嘘が嫌いでそれをすごく真面目に、最後まで貫き通して生きたところに魅力を感じます。今回はさらに、茶々を愛してしまい、その性格ゆえに苦しむのですが、ほかの作品では描かれないことですので、三成の新たな魅力が見られるのではないかと思います。愛と忠義に揺れ続ける三成が関ヶ原の戦に敗れた後、ボロボロになったときのセリフはすごく心に染みますし、とても人間味を感じますね」
――戦国時代ということで、合戦シーンも迫力があるのでは?
「クライマックスの見せ場になると思います。曲もものすごく迫力があって、立ち回りもありますし、割と動きの激しいシーンになりそうです。また今回は、ブーツを履いたりカツラや鎧も工夫がされていますので、ビジュアルの部分でも楽しんでいただきたいと思います」 」
――ショー『ルナロッサ』は中近東世界が舞台とのことですが、どのようなシーンが展開されるのですか?
「エキゾチックな雰囲気のショーで、モロッコのバザールであったり、砂漠の砂を表現している中で古代の人が蘇ってきたりと、アラビアにとどまらず中近東の様々なシーンが繰り広げられます。西洋と東洋が混ざり合った異国の香りの中で、色気や懐かしさ、勢いなど色んなことを感じていただける作品です」
――今回から組替えで凰稀かなめさんが入られていますが、組の雰囲気はいかがですか?
「稽古場でとても一生懸命ですし、華のある人だと思います。前に2番手でいてくれた蘭寿とむとは学年差も違いますし、また新しいコミュニケーションの取り方で作品を作っていくことが新鮮で、これからどうなっていくのか楽しみです。」
――東日本大震災の影響で公演が中止になったり、募金活動などもされていましたが、大空さんの立場からどのようなことをお考えになられましたか?
「震災が起きたときは、自分たちが舞台に立つ意味についてすごく考えました。人が生きていくためには衣食住がもちろん必要なのですが、日々の報道を通して、音楽など心を癒すものの大切さも改めて感じました。今は舞台で夢を発信して、少しでも多くの方に希望を持っていただくことが自分たちにできることだと思いますので、一回一回の公演を大切に演じたいと思っています」
取材・文:黒石悦子 撮影:奥村達也
▼宝塚歌劇宙組 『美しき生涯』-石田三成 永遠の愛と義-/『ルナロッサ』-夜に惑う旅人-
5月20日(金) ~ 6月20日(月) 宝塚大劇場(兵庫県)
7月8日(金) ~ 8月7日(日) 東京宝塚劇場(東京都)
□兵庫=発売中
東京=6月19日(日) 10:00