──今回は、ロマンスに満ちた華やかなタカラヅカのイメージとはまた違ったテイストの作品になりますが、どんなところに魅力を感じておられますか?
「戦争という想像を絶する状況の中で、1人の男性が赤十字を創り上げていく過程の物語なので、私も男役を演じるというより1人の人間を演じるという感覚なんです。やはり魅力は隣人愛や博愛の精神といった“人間愛”を描いているところでしょうか。それを言葉だけでなく、本当の意味でお伝えするにはどうしたらいいんだろうと日々考えながら稽古に励んでいます。クライマックスのシーンで、彼は大勢の負傷者を連れて、旗を持って戦場を突っ切るんですが、もし失敗したら何十人もの命を自分のせいで犠牲にしてしまう。その危険を背負って、それでも一歩踏み出すということを、偽善ではなく皆様の心に届くように表現できたらと思っています」
──では、男役としてのやりがいのあるシーンは?
「やはり負傷者を連れて戦場を突っ切るシーンですね。多くの人の命を預かって、敵軍の大将を説得する。その場面では、男役としての強さや、骨太なエネルギーを出したいです」
──ショーの『Carnevale(カルネヴァーレ) 睡夢』は、またガラリと雰囲気が変わりますね。
「そうですね。ヴェネツィアのカーニバルの一日が土台になっている作品なんです。昼間はイタリアの国民性そのままに、群衆が明るく楽しく盛り上がっているんですが、日が沈んでいくにつれて、センチメンタルでノスタルジックな雰囲気になり、最後はカーニバルが終わって静けさが訪れる。特に後半は、仮面舞踏会のようなミステリアスな雰囲気になっています」
──ショーの見どころは?
「プロローグが、全員が舞台に上がって、カーニバルならではの賑わいになるので、そこに参加しているような気持ちで楽しんでいただけたらと思います。それに私がドレスを着る場面もあるんです。仰天させるのではなくて、美しい女性に化けられたらと思っていますが、どうなることやら(笑)」
──それでは最後に、ぴあをご覧のみなさんへのメッセージをお願いします。
「赤十字という、おそらく知らない人はいない大きな組織の、踏み出すのが困難なはじまりの一歩を描いているので、何かに立ち向かっている方にとって、背中を押してくれるような作品にしたいですね。命の大切さや博愛の精神といった、少し重いお話ではありますが、決して何かを考えていただきたいというのではなく、観たことによっていろんなことを感じていただけたら。一方のショーの方は、カラフルで華やかな作品なので、雪組のみんなが昨年末から蓄えてきたパワーをお見せできたらと思います」
取材・文:永田理子 撮影:奥村達也
▼宝塚歌劇雪組公演
宝塚ミュージカル・ロマン『ソルフェリーノの夜明け』-アンリー・デュナンの生涯-
ショー・グランデ『Carnevale(カルネヴァーレ) 睡夢』-水面に浮かぶ風景-
【兵庫公演】2月5日(金)~3月8日(月) 宝塚大劇場
【東京公演】3月26日(金)~4月25日(日) 東京宝塚劇場
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