アメリカのオーケストラの中でも最もヨーロッパ的なサウンドを持つと評される名門クリーヴランド管弦楽団が、2002年から同管の音楽監督を務め、現在最盛期を迎えるフランツ・ウェルザー＝メストとともに12年ぶりに来日。“レジデント・アーティスト”の称号を与えられるほど楽員からの信頼も厚い世界的ピアニスト、内田光子によるモーツァルトのピアノ協奏曲弾き振りなど、サントリーホールで4公演を開催する。

前半2公演は「内田光子ピアノ＆指揮　サントリーホールスペシャルステージ」。内田光子は、サントリーホール開館時のオープニング・シリーズでモーツァルトのピアノ協奏曲全曲演奏を行って以来、日本の“ホーム”として来日公演のほとんどをサントリーホールで開催しており、2009年もベルク、シューマン、モーツァルトのつながりやクルターグに光を当てた渾身の2公演が絶賛されたばかり。そして2010年秋は、サントリーホール25周年の2011年より新たに始まる「サントリーホール フェスティバル」のプレ・イベントとして、クリーヴランド管弦楽団と共演する。「他のオーケストラにはない透明度、澄んだ響きのあるこのオーケストラとモーツァルトを弾きたい」と願っての実現。モーツァルトのピアノ協奏曲4曲の弾き振りほか、ファン待望のオール・モーツァルト・プログラムとなる。

後半2公演は「フランツ・ウェルザー＝メスト指揮」。プログラムは、内田光子と共演する「ベートーヴェン：ピアノ協奏曲第4番」のほか、「ベートーヴェン：英雄」「ドビュッシー：牧神の午後への前奏曲」「武満徹：夢窓」「ブルックナー：交響曲第7番」。小澤征爾の後を受け継ぎ、2010年9月よりウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任するウェルザー＝メストのタクトで、「大躍進したジョージ・セルの音楽監督時代の伝統が今なお生きづいている」と内田光子が絶賛するクリーヴランド管弦楽団の繊細かつ豊潤なアンサンブルをお届けする。