コインランドリーとビデオショップに囲まれた路地裏。
コインランドリーでは【姉さん/伊藤蘭】がタバコをふかしている。傍らには、ビデオショップの雇われマスター【兄さん/高橋和也】の姿が。腐れ縁を想わせるどこかコミカルな二人の会話。
雨のなか、鼓笛隊が通り過ぎた・・・・・。
壊れたトランシーバーで〝どこか〟と交信を続ける【トランシーバー少年/田島優成】は雨のなか倒れこんでいる【北の兄/窪塚洋介】と出会い、奇妙な友情を結んでいく。【北の兄】は二年前に【北の女/中嶋朋子】を結婚式場から奪い故郷を捨て上京したのだが、今や二人の愛は冷めてしまった。
突如現れた【喪服の男/青山達三】の哀切な独白が響く。自殺した妻の葬儀から抜け出してきた彼を心配して追いかけてくる教え子たち。その騒ぎに路地の住人たちが顔を出したその時、幻の警報が人々の内で鳴り、幻の電車が通過していく・・・。
呆然と佇む住人たちの前を行進する鼓笛隊に、幻の太鼓を叩きながら人々が加わっていく。
花嫁に逃げられた【ハルキ/丸山智己】と、【北の弟/近藤公園】や北の親族たちが訪ねてくる。【北の兄】と【ハルキ】は親友の仲であった。周囲の人々を巻き込み三人は雨の中再会を果たすのだが・・・。