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@ぴあインタビュー

月影番外地『ジェットの窓から手を振るわ』木野花(演出)×高田聖子

月影番外地『ジェットの窓から手を振るわ』木野花(演出)×高田聖子
おなじみ新感線での活動とは別に、女優・高田聖子が座長を務めるこだわりのユニット、それが、月影番外地である。1995年、<月影十番勝負>という名でスタートさせ、2007年までで計10作品を発表。2008年から現在のユニット名<月影番外地>を開始し、最新作『ジェットの窓から手を振るわ』が、2回目の公演となる。 今回は、作家、演出家、出演者4人、すべて女性オンリーのプロダクション。女性ならではの感性がふわりと活かされた舞台に期待しよう。高田聖子と演出の木野花に話を訊いた。

──チラシのコピーに「四十も過ぎた。もちろんひとり。だから何?」と書いてあります。



高田「今回のテーマが出てきたのは、木野さんからでしたよね?」



木野「40代は、結婚する、しないを最終決定する時期だと思う。『結婚しなくていいの?』というような、世間の一般常識、みたいなものもある。結婚をどうするのか、仕事をどうするのか、これからどう生きていくのか。40代の決断には、結婚の占める比重が大きいんじゃないかな。アラフォー世代の年齢の女性にとって、結婚がどういう位置にあるのか、ちょっと面白くなってきたんです」



──具体的な作品の構想に、どうやって固めていったのでしょうか?



高田「木野さんと、わたしと、(脚本の)千葉雅子さんで意見を出し合って、みんなで本を読んだり、マンガを読んだり、1年くらい企画を温めてました。10回近くは会ってミーティングをしたかな。あるときは誰かの自宅、またあるときはファミレスとか」



木野「温める1年が大事なんだよね。1回会って、宿題や課題が出て、1、2ヵ月後に成果を持ち寄ってまた話す。ああだこうだと語り合った1年ですね」



──どういうお話ですか?



高田「わたしは、とある地方空港の中にある惣菜屋雇われ店長です。そこに、他の3人が関わってきます。まず、謎の常連客が宍戸美和公さん。ウンチクをたくさん語るわりには、自分の身の上話はしないタイプ。次に、この惣菜屋に出入りする無農薬野菜の農家が坂井真紀さん。実は農業は本腰ではなくて、他にやりたいことがある人。最後が、元CA(スチュワーデス)、今はマナー教室を経営している、わたしの同級生。これが渡辺真起子さん。この4人の女性が、それぞれの人生に関わっていくことになります」



──高田さん、ご自分との接点はどうですか。



高田「今回の役はわたし自身です。『ぬか床をかき混ぜている女』というのが設定のひとつにあるんですけど、これはそのまんまわたしがモデル」



木野「ちなみに、他の3人の役はフィクション。演じる人たちとは全く違うキャラクターです」



──前回公演の『物語が、始まる。』でも、高田さんは、いわゆる普通の女性の役でした。



木野「今の高田聖子は、役者として色んなことができるようになってきた。色気がないって言われていたけど色気も出せるし、エロい役も結構やれる。やってないのはなんだろうと、前回は、あえて地味な普通のOLの役をぶつけてみた。新感線の聖子は劇的な役ばっかりですから。といいつつ、前回は、人間でないものを愛する女性っていう、内容が内容でしたからね。そういう世界を生きられる不思議な女性で、心の中に、劇的な“業”を抱えている、怖い女と言えたかも知れない。だから今回は、前回以上に、うんと普通にしたかったんです」



高田「前回以上に、ますます隠れ蓑やヨロイがなくなっていく感じ。新感線は、ある意味全くのウソだから。『やっちゃえー!』って、堂々と演じられる。でも、それがすべてじゃないですもんね。『やっちゃえー!』では立ち向かえない役の方が不安。やっちゃえる隠れ蓑やヨロイを手放せ、はずせ、と言われている。『そこにいろ!』と言われている感じなんですよ」



取材・文:戸塚成(ぴあ)


▼月影番外地『ジェットの窓から手を振るわ』
8月4日(水)~13日(金) ザ・スズナリ(東京)
[劇作・脚本]千葉雅子 [演出]木野花
[出演]高田聖子/坂井真紀/宍戸美和公/渡辺真起子

月影番外地『ジェットの窓から手を振るわ』木野花(演出)×高田聖子

月影番外地『ジェットの窓から手を振るわ』木野花(演出)×高田聖子

月影番外地『ジェットの窓から手を振るわ』木野花(演出)×高田聖子

月影番外地 前回公演「物語が始まる。」より 高田聖子&辻 修

月影番外地『ジェットの窓から手を振るわ』木野花(演出)×高田聖子

月影番外地 前回公演「物語が始まる。」より 高田聖子&辻 修&加藤 啓