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JAPANサッカーを支える企業
 
株式会社ジャパンエナジー 総務広報部 広報担当課長 木下亮
1993年、時を同じくして誕生した「JOMO」と「Jリーグ」。
以来、両者は共に手を繋ぎ、日本サッカー界の発展に 尽力してきた。その一部始終を見てきた同社広報担当課長木下氏に、今日までの歩みから今後の日本サッカー界の展望について話を訊いた。
株式会社ジャパンエナジー 総務広報部 広報担当課長 木下亮
   

——ジャパンエナジーの基本理念を教えてください。

「当社は石油を精製、販売する会社として、実業の中で活動するにあたって『エナジーの創造』、あたたかく、活力ある人間社会の実現を目指しています。人間ひとりひとりの想像力と創造力を尊重し、『人間のエナジー』を育てる。地球環境を人間の現在、未来の基本ととらえ、『地球のエナジー』を有効活用する。実業の実績、信頼、責任を見直し、新しい価値、成長を発見するため、『社会のエナジー』になる。そして、以上の基本理念を実践するための行動指針として、5つの約束をしています。

●仕事は、オープンに徹し、ひとりの市民として良識をもって行動します。
●どのような状況にあっても「環境」と「安全」を最優先します。
●実行力、チームワークで、革新的な技術、商品、サービスを提供します。
●お客様の新しい満足を積極的に探究し、実現します。
●グループ企業と目的を共有して、利益ある成長を達成します。

社会貢献、特にスポーツという分野では『人間のエナジー』を育てるという点が一番近いでしょうね」


——スポーツに関しては、どのような活動をされていますか。

「企業としてスポーツを扱っている背景にあるのは、社員の求心力を高めるということです。社員の心を一つにする。そのために、私どもでは実業団のWリーグで活動しているJOMOサンフラクーズを中心的な位置におき、全社をあげて応援しています。また、昨今企業の社会貢献がクローズアップされていますが、企業としての活動を強く進めていく上で、中学生を対象にバスケットボールのクリニックを行なっています。指導にあたるのは、JOMOサンフラワーズの選手・OGです。80人ぐらいの中学生を集めて、1日かけてバスケットを教えていますが、さらに強化コースというのも実施しています。こちらは中学のクラブ活動にお邪魔して、いろいろな角度からヒアリングしながら指導していますが、1回だけでなく複数回、まあ4〜5回でしょうか、続けて行ないます。バスケットボールの発展のために、中学生たちの技術的レベルを上げたいということもありますが、一番はバスケットを通じてスポーツの素晴らしさを知ってもらいたいと考えています」


——Jリーグを支援するようになったきっかけは?

「スポーツに対する企業としてのもうひとつの側面として、スポーツをマーケティング戦略に活用するということがあります。Jリーグがスタートしたのは1993年ですが、その前年、共同石油と日本鉱業が合併しました。そして、93年に現在のジャパンエナジーが誕生したわけですが、石油事業分野におけるブランドネームとして“JOMO”を立ち上げました。タイミングがバッチリ合っていたんですね。世の中を見ると、スタートしたばかりのJリーグがものすごい人気を集めている。それでは、Jリーグをサポートさせていただき、JOMOステーション店頭でのキャンペーンやテレビコマーシャルなどを使わせていただくことによって、JOMOというブランドを全国に知らしめようとなったわけです」


——Jリーグに対して、これまでにされてきたことは?

「オフィシャルスポンサーになる前に、ジェフ市原の永井良和監督にお願いしてサッカークリニックを開催しました。そもそも、それがJリーグと付き合っていくきっかけになったわけですが。
  1995年から2001年には外国籍選手選抜と日本人選手選抜が戦うカップ戦に、ブランドの冠をつけた“JOMOカップ”に協賛しました。JOMOというブランドをもっと全国に広めるため、何かやらせていただけないかとJリーグにお願いしたところ、木之元興三専務理事(当時)があたためている企画があるということで、いっしょに立ち上げました。既存の大会に冠をつけたのではなく、ゼロからいっしょに作らせていただいたという自負がありましたし、国立競技場が満員になったときはシビれましたよ」


——Jリーグ関連で、今後予定されていることは?

「今回、10月9日に大分で“JOMOオールスターサッカー”を行ないますが、将来的にはバスケットボールとサッカーをジョイントさせたクリニックができればと思っています。まだ具体的な話ではなく、施設の問題、バスケットボールとサッカーをいっしょに行なうというメリットもなかなか見いだせないので漠然としていますが」


——Jリーグから企業が得たことは?

「“Jリーグ”のJ、“JOMO”のJ、さらに言えば“ジャパンエナジー”のJというJ繋がりで、ブランドの勢いづけができた。Jリーグの持つ、スピーディー、さわやかというイメージがオーバーラップし、ブランドの価値を高めることができたと思います。“JOMO”という言葉から何を連想するかというイメージ調査によると、もちろん石油はありますが、それ以外ではJリーグ、サッカーという回答が多いんですよ。日本経済新聞の調査でも、スポーツ・文化支援に熱心な企業というイメージが定着していますので、Jリーグとパートナーシップを組んできたことによって特徴のあるイメージ形成ができたのではないでしょうか」


——Jリーグに望むことは?

「テレビ観戦の機会を増やしていただきたいということです。“地域密着”を基本戦略としているので致し方ないとは思いますが、スタジアムに足を運んでいただけるファンだけでなく、遠くにお住まいの方や別の用事がありテレビ観戦しかできない方にももっと見ていただきたい。日本代表戦はあれだけ高視聴率を上げていますし、10月9日大分で“JOMOオールスターサッカー”が開催されますが、昨年の新潟、その前の札幌でも現地は大いに盛り上がっていますので。
  ワールドカップに向け日本代表が実力をつけてきましたが、代表を支えているのがJリーグであることは間違いない。Jリーグの繁栄なくして、日本代表の今後もないでしょう。我々もJリーグとのパートナーシップをさらに深め、応援していきたいと思います 」


——サッカー日本代表、そしてJリーグ、サッカー界全体にエールをお願いします。

「ワールドカップに向けて日本代表がメキメキ実力をつけ、盛り上がっていますが、代表を支えているのがJリーグであることは間違いない。Jリーグの繁栄なくして、日本代表の今後もないでしょう。私たちのバスケットボールチームは今は企業チームですが、いずれは地域に根ざした、地域に支えられたクラブに移行していきたいと考えています。もちろん、興行としても成功させていきたいですし。バスケットに限らず、そうありたいと思っている競技はたくさんあるでしょうが、そうしたとき、Jリーグがこれまで歩んでこられた道、地域密着という信念、哲学を貫かれ成功してきたノウハウがビジネスモデルとして大いに役に立つと思います」


取材・構成/宮崎俊哉(CREW) 撮影/新関雅士

 
この取材は2005年9月に行われました