——社会貢献、スポーツ支援を中心に、御社の企業理念からお話いただけますか。
「『人々の生活を豊かに』。これが、日産ならではの価値を創造し、社会に必要とされる企業であり続けたいとの願いをこめたビジョンです。
そして、このビジョンのもと、世界各地の日産の事業所や社員がグローバルコミュニティの一員として、次世代へと続く社会の発展のために、教育、環境、人道支援等の分野で企業市民としての活動に積極的に取組んでいます」
——スポンサーシップされていく上での方針は?
「スポンサーシップについては、サッカーを中心に力を入れていますが、それは単なる協賛といった形式にとどまらず、イベント参加者と感動を共有し、日産の意思、ビジョンをより分かりやすく伝達していくことを目的に活動しています。
そして、スポンサーシップ活動を通して、企業のイメージ向上が図れればと考えています。また、スポーツ支援はそうしたスポンサーシップの柱であるととらえています」
——御社と横浜F・マリノスの歴史、サッカーとの関係を教えてください。
「マリノスの前身は、みなさまご存じだと思いますが、1972年に創部した日産自動車サッカー部です。それゆえ、もともと強い関係があり、企業として支援してまいりました。
Jリーグが発足した翌年、1992年に株式会社となった後も、オフィシャルパートナーとしてマリノスを応援し続けています」
——日産スタジアム・ネーミングライツ契約されたきかっけは?
「横浜は横浜F・マリノスのホームタウンであるとともに、日産自動車の発祥地。現在も、本店所在地は横浜です。神奈川県下には、横浜工場、追浜工場、日産テクニカルセンターなど数多くの事業所、関連会社、23のグループ事業所があり、合わせますと約3万2000名の従業員がいます。
また、今後は本社機能もみなとみらい21地区へ移転する予定です。そのようなつながりから、日産スタジアムとしてネーミングライツ契約することによって、地域に密着した貢献ができると考えたのがきっかけです。
今後は、日産スタジアムを発信場所として、スポーツ振興・地域貢献への取り組みを実施していくことで、日産が地域社会の一員となって、横浜市・神奈川県に貢献していきたいと考えています」
——日本代表サポーティングカンパニーとなられたきかっけは?
「横浜F・マリノスを長年支援している関係から、サッカースポーツをサポートする企業としてのイメージが徐々に定着してきておりました。その中で、2001年4月から日本代表サポーティングカンパニーとして、代表チームをサポートさせていただいております。
世界に通用するチームづくりという、非常に革新的な目標をかかげる日本代表と、グローバルで競争力のある会社を目指すという日産は同じ方向を向いていると感じています。サッカー日本代表を盛り上げようという皆さんと、一緒に感動を味わっていきたいですね」
——サッカーという競技に対して、どのようなイメージをお持ちですか。
「まず、何といってグローバル性が魅力ですね。10数年前までは、日本が世界に通用するなんて想像もできませんでしたが、ここまで強くなって、世界と対等に渡り合える実力を持つようになってきた。
また、さまざまな選手が海外の一流クラブで活躍されるようになった。本当に信じられないようなことですが、サッカーという競技にはポテンシャルがあり、革新的でアグレッシブ。そんなイメージです」
——サッカーを支援されるようになって、企業として得たこと。まず、社内的にはいかがでしょうか。
「Jリーグのチームやサッカー日本代表を支援するということ、そしてスタジアムのネーミングライツは、社員全員が一つの目標を持てるということであり、モチベーションのアップにつながっていることは間違いありません」
——社外、お客さまや取引先への影響は?
「おかげさまで、サッカーを応援している会社というイメージは社会的に浸透したのではないでしょうか。サッカーというグローバル・スポーツへのサポートを通じて企業イメージが高まりましたし、特に若年層へのイメージ向上に役立っていると思います。
また、日産スタジアムのネーミングライツ取得によって、さらにサッカーファンを中心に、スタジジム来訪者への好感度アップが期待でき、日産という企業に対してどれだけ親しみを持っていただけるか楽しみにしております」
——日本サッカー協会、Jリーグ、日本サッカー界へ望まれること、提言などございましたら。
「今後も地域密着、社会貢献に力を入れていきたいと考えておりますので、そのための知見を共有化していければありがたいですね。私どもでも、そういった情報を元に、横浜市や横浜マリノスと協力し合って、サッカーの楽しさを全国の方々に伝えていきたいと思います」
——最後に日本のサッカー界に、熱きメッセージをお願いします。
「日本のサッカーを盛り上げるためには、日本代表にもっともっと強くなっていただきたいです。そして、もっともっと多くの選手に世界に出て、活躍して欲しい。そう思います。
代表のレベルが上がれば日本中が盛り上がりますし、底上げにもなる。そう信じていますので、これからもみなさんと協力して、サッカーを応援していきたいです」
取材・構成/宮崎俊哉(CREW) 撮影/新関雅士 |