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JAPANサッカーを支える企業
 
UFJニコス株式会社 上條 雅好
Jリーグ開幕からのスポンサーのひとつ「NICOS」。
NICOSの知名度は13年間で飛躍的に向上し、今や一般常識となった。まさにJリーグとともに成長したブランドと言える。その一部始終を眼で見、肌で感じてきた上條氏に話を伺った。
UFJニコス株式会社 上條 雅好
   

——社会貢献としてのスポーツ支援を中心に、UFJニコスの企業理念を教えてください。

「私共の営業形態は、数多くの会員様や加盟店様に支えられて成立っています。ですから、売上から発生する利益についても、何らかの形で社会にお返ししていく事が企業として使命のひとつであると考えています。スポーツには、ほかでは味わえない「感動」や「共感」があふれており、それを数多くの方々にお伝えする事が、社会へのお返しになる。という理念に基づきスポーツの支援をさせていただいています」


——Jリーグを選ばれたのは?

「私どもにとって、Jリーグは“感動・共感”というキーワードを持つ格好の材料であり、社会に対して大きな影響力を持つスポーツ団体であると判断させていただきました」


——Jリーグに対してこれまでされてきたことは?

「Jリーグ開幕以来ずっとお付き合いさせていただいておりますが、私どもとしては『Jリーグカード』を展開しております。そしてその一つとして、クラブではなくJリーグ本体そのものと提携するJリーグオフィシャルカードがあり、その売上の一部を原資といたしまして、さわやか福祉財団の活動をサポートさせていただいております」


——Jリーグをスポンサードすることによって得たことは?

「2005年10月1日の合併によりUFJニコスとなりましたが、旧日本信販の’91年に、お客様と一層コミュニケーションをとりやすいブランドを考案し、クレジットカードのコミュニケーションネームを「NICOS」といたしました。Jリーグのスポンサーとなったのは、その2年後ですが、それから3年間リーグ戦後半のセカンドステージを「NICOSシリーズ」と名付けていただき「NICOS」を広く浸透させる大きな役割を果たしました。言い換えると、Jリーグはコミュニケーションネームとしてスタートした「NICOS」をブランド名にまで昇華させた立役者だと思います」


——社外的にはいかがですか。

「わかりやすい例ですと、当時私は営業の現場におりまして、加盟店様を訪問した際などに、“信販さん”と呼ばれていましたが、それがJリーグをスポンサードさせていただくようになってから“NICOSさん”に一変しました。自分たちのブランド名が浸透しているんだなぁと肌で感じたと同時に、Jリーグの影響力の大きさを実感した次第です」


——社員の方々への影響は?

「もちろん大きいと思います。Jリーグという立派なスポーツ団体をスポンサードさせていただいていることを、社員全員が誇りに思っているはずです」


——Jリーグとの関係で今後の予定は?

「担当者としてはできるだけ永くスポンサードを続けていきたいと思っております。正直、当初は社内的にもJリーグのスポンサーとなることに賛否両論ありましたが、今では、スポーツスポンサードは、5年、10年で判断するようなことではないという考え方が根づいたと思います」


——Jリーグの基本理念についてはどうお考えですか。

「このことになりますと個人的な部分が強くなりますが、“小学校の校庭を全て芝生にしよう”という『百年構想』に極めて単刀直入に心を動かされました。私も子供が3人おりますが、1日も早く自分の子供たちが通う小学校の校庭が芝生になればいい、そんな環境を早く作ってやりたいと思いますね。 また、もう既に言い尽くされていると思いますが、地域密着というのもJリーグが成功した大きな要因だと考えます。日本のプロスポーツのなかで、これだけの切り口をあからさまに、多面的に持っているスポーツはないでしょう。代表レベルでの日の丸を背負って立つという切り口。そしてもう一つ、己が町のサッカークラブという切り口。その両方が何の矛盾もなく、きれいに融合してサッカーそのもの、スポーツそのものとして楽しめるコンテンツはほかにはありません。 ある方が、Jリーグのスポンサードを商品としてとらえるならば“Jリーグなんて所詮ローカルコンテンツですよ”と仰られたんです。私はそれを聞いて、逆説的に説得されたと思いました。ローカルコンテンツも30個集めると、もはや立派なナショナルコンテンツ。Jリーグというのは、まさに日本全土をカバーしているナショナルコンテツなんでですね」


——Jリーグに望むことがありましたら。

「機会があったらぜひお話しさせていただきたいと思っていたんですが、Jリーグには日本のサッカーを世界レベルに上げるという大命題があります。そのためにJリーグが担う役割は極めて大きいということは、もやは周知の通りだと思いますが、今の日本代表に関してよく言われる決定力不足。それを解決するために、Jリーグとしてできることはないか。あくまで素人考えですが、0−0の引き分けになったら両チームとも勝ち点なしにしてはという提言です。Jリーグといえども、試合のルールについては国際ルールと違ってはまずいでしょうが、リーグの運営としてはできるのではないでしょうか。現状ですと、0−0の引き分けも5−5の引き分けも同じように勝ち点1が与えられます。でも、1点も取れないチームは例え引き分けでも勝ち点0ですよとしたら、プレイヤーも監督ももう少し積極的に点を取りにいくんじゃないか。もっと攻撃的な、中身の濃い試合展開になるんじゃないかと思っています。引き分け狙いの逃げみたいな試合は、子供にはもちろん、お金を払っているお客様にも見せたくないですからね。Jリーグ各チームが攻撃的な部分に比重をおいてチーム運営をするようになれば、全体の底上げになりますし、日本代表の強化、得点力のアップにつながるはずです」〜Jリーグに期待されることは?「観客動員数という指標を使うと、Jリーグは1998年を底にずっと右肩上がりになっていますが、観客収容率というとらえ方をしたらどうなるのか。実際はクラブ数が増え、2002年ワールドカップを機に箱が立派になったから動員数が増えているんです。ぜひ、Jリーグがスタートした'93〜'95年頃のような観に行きたくてもチケットが取れなかったあの時代の熱気をもう一度取り返してもらいたい。一時的な熱狂に終わらせることなく、サッカー文化をJリーグを通じて根づかせていただきたいと思います。 欧米ですと、子育ての最中にある若い夫婦がベビーシッターに子供を預けて、サッカーや野球、アメフトなどを観に行きますが、あれこそがスポーツ文化が目指す最終形ではないかと、私は日頃から考えています。スポーツ文化を醸成していく上で、Jリーグの果たす役割は果てし無く大きい。ぜひJリーグと力を合わせて、私どもも少しでもそのためのお役に立てればと思っております」


取材・構成/宮崎俊哉(CREW) 撮影/新関雅士

 

上條 雅好(かみじょうまさよし)
'61年、東京都生れ。'84年日本信販入社、足立、亀戸、大宮など各営業所・支店で営業職として活躍。大宮支店時代には浦和レッズの「レッドダイヤモンズカード」に携わる。'99年、広告宣伝部に異動。以降Jリーグの支援に深く関わっている。

UFJニコス株式会社
事業内容:クレジットカード事業、ショッピングクレジット・オートローン事業、ファイナンス事業、フィービジネス事業、ECソリューション/他
設立:1951年6月
所在地:東京都文京区
URL:http://www.ufjnicos.co.jp/
 
この取材は2005年11月に行われました