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JAPANサッカーを支える企業

 

株式会社LIXIL
宣伝プロモーション部 部長
石橋和之


長年、ユニホームスポンサーとして鹿島アントラーズを支援してきたトステム。4月に「LIXIL」として生まれ変わり、今シーズンからLIXILとしてアントラーズを支援している。新会社誕生後に、アントラーズと共同開催した震災復興チャリティイベント「SMILE AGAIN」の企画プロデューサー石橋氏にサッカーへの熱き思いを語っていただいた。

石橋和之

――スポーツ支援を中心に、御社の企業理念からお話しいただけますか?

「スポーツというのは、人の心に響き、共感を呼ぶ大きなパワーのあるコンテンツです。企業としてそうしたスポーツに関わることによって、周りにパワーを与えるだけでなく、自分たちもパワーをもらい、元気になれると思います」


――スポーツ全体に関して、これまでにどのような活動をされていらっしゃいますか?

「LIXIL(リクシル)の前身であるトステム時代ですが、自動車レースのF3000を4年ほど協賛させていただきました」


――サッカーという競技に対して、どのようなイメージをお持ちですか?

「競技人口、ファンともに世界に広がっていて、“共通語”と言ってもよく、グローバルな視点で観られるスポーツだと思います。“サッカー小僧”と呼ばれるような少年たちは、小さいときから海外の有名な選手に憧れを持つことができますからね。サッカーの持つコンテンツ力は本当に強いと思います。横浜マリノスとヴェルディ川崎の開幕戦、チケットが手に入らずテレビにかじりついて観ましたが、それまで自分たちが観てきたプロ野球やラグビーとは全くレベルの違うオープニングで大成功を収めました。あれで、一気に日本にサッカーが根付いたと思います。

サッカーというスポーツは、小さい子どもでもできる。それは、企業がスポンサードするときに重要なポイントとなります。お子さんがサッカーチームに入ると、それまでサッカーに全く興味がなかったお父さんがコーチを務めたり、お母さんが子どもを応援しながらのめり込んでいったり。サッカーというのは、年代に応じてそれぞれが楽しめる数少ないスポーツです」


――Jリーグの理念については、いかがでしょうか?

「とても素晴らしいものを打ち出したなと思います。特に、地域に根ざしていくという点。鹿島アントラーズをスポンサードさせていただくようになった際にも、それが大きなメッセージになりました。
私どもの主力工場は茨城にありまして、アントラーズのホームグラウンドと近い。そこで、アントラーズを支援していくことでサッカーや地域を通じて活性化していこうとなったわけです。Jリーグが開幕して2年目の1994年からアントラーズをスポンサードしていますが、Jリーグの理念と我々の考え方が一致していました」


――2011年6月4日、鹿島アントラーズと共同で震災復興チャリティイベント「SMILE AGAIN」を開催されましたが、改めてその趣旨を教えてください。

「震災直後、茨城があそこまで被災しているとは思っていませんでした。報道では、どうしても東北が中心でしたから。でも、茨城の被災状況も甚大で、グラウンドもボロボロだと知って。茨城に元気を取り戻して欲しいと企画しました。もともと、20年目を迎えたアントラーズと誕生して1年目のLIXILで、何か力強いことをやりたいと思っていたところでしたので、復興に向けて“いまこそやるべきだ!”と立ち上がりました。スタジアムが再開して最初の試合で、みんなに力強くエールを贈ろうと。

特にサッカー担当の部下が熱意をもって企画してくれ、そして、いろいろな方々に乗ってきていただいて。もちろん、手弁当ですが。チャリティライブをやったFUNKY MONKEY BABYSさんも我々の趣旨に賛同していただきました。みなさんに感謝しています。力を結集した強さを感じましたね。来てくれたお客さんは、感動して帰ってくれました。

当日は、各地から集まった社員がボランティアで、声をからしてチャリティTシャツを販売してくれたんです。5社がひとつになって、4月に生まれたばかりの会社ですから、社員同士どこか見合っているようなところがありまして。自己紹介するのは、いちいち“○○出身の”と言うような雰囲気。でも、このイベントをきっかけに、LIXILはひとつになることができました。“一体になるって、こういうことなんだな”とみんな感じたと思います。試合後、ボランティアたちは自分たちがこのイベントに関われたことでみんな感動してくれましたね。元気になってもらったお客さんから、逆に元気をもらって、社員はいい経験をさせていただきました」


――「SMILE AGAIN」、素晴らしいタイトルですね。

「企画に携わったみんなで考えましたが、被災された方々にいいメッセージが届けられたと思います。ジーコさんをはじめ、海外からも多くの方々が集まってくれて。素直に感謝できる、いいイベントでした。自分の力だけではできないことばかりですから。サッカーの強さ、そこに音楽も絡んで、結集する強さも感じましたね」


――心温まるエピソードなどありましたら。

「前夜祭ですけど、我々がチャリティTシャツを販売していたブースにラモスさんが来て、“俺が売ってやるよ”と。“買ったら、サインするよ”と大きな声で呼びかけて、50枚も売ってくれました。ラモスさんのこと、とっても好きになりました。インタビューでは、“現役時代は鹿島に来ると、俺へのブーイングが物凄くて。でも、あれで燃えたんだよ”なんて言ってましたけど。

FUNKY MONKEY BABYSさんたちも、試合が終わったら自分たちのライブの前にお客さんがみんな帰ってしまうんじゃないかと心配してまして。それで、ライブが始まる前にファンキー加藤さんが“みんな、残ってくれていて、ありがとう”と。あれを聞いて、涙が出ました。お客さんからも、“ファンモン、すげぇよかった。今度コンサートに行って、ちゃん聞いてみよう”という声も聞きましたが、きっとサッカーファンに好かれる音楽なんでしょうね」


――鹿島アントラーズに関して、これからの取り組みや予定されていることがありましたら。

「いま大きなイベントが終わったばかりで、企画していることなどはありません。今シーズン、ちょっと低迷していますが、ぜひまた盛り上げていただきたいですね。アントラーズは毎年のようにタイトルを獲得してきて、我々は勝利をプレゼントしてもらってきましたが、今年もよろしくお願いします。LIXILになって、社員の数も大幅に増えましたので、いままで以上に広い分野で応援できると思います」


――Jリーグのチームをスポンサードされている企業としては、御社が一番長いのでは?

「出資企業ではなくスポンサードということであれば、うちが最長という感覚はあります。他社さんから、“長く続けていて偉いね”と誉めていただくことがありますが、それはひとえにアントラーズが我々を大事にしてくれているからです。アントラーズを中心としたスポンサー同士のつながりも強く、ただ協賛しているだけではなく、“同じチームを支援している”という意識があります。今回のチャリティイベントでも、各社協力してうまく役割分担してきましたし、アントラーズとは企画段階からざっくばらんに話し合ってきました。

アントラーズとは、まさに“ファミリー”という感じです。選手とうちの社員が触れ合う機会を大事にしていただいて、人間的なつながりを感じます。また、スポンサード開始にあたって、私の前任部長が奔走してアントラーズとの関係をつくってくれました。私がそれを引継いで、いま私の右腕とも言うべき若き課長がそのスピリットをつないでくれています。うちの社内でもそんな“ファミリー”というべき感覚なんです。組織としてもそうですが、構成している一人ひとりのマインドがそうなんですよ。担当の方々には、LIXILの社員なみにうちのことを考えていただいて、“こうすれば、もっとメリットになるのでは”なんて、いつも叱咤激励されています。

そして、我々が長くスポンサードさせていただいている一番の理由は、アントラーズが強いということ。これはスポーツを応援する企業にとって、何よりもありがたい。企業論理からすると、低迷すれば離れざるを得なくなります。でも、アントラーズはずっとタイトルを獲り続けています。スポンサーを逃がさないように、きちんとやっているというか。とにかく、我々は非常に恵まれています。

ジーコさんから始まってレオナルド選手、その後日本人選手が中心になって、小笠原(満男)選手がベテランになってきたら、大迫(勇也)選手のような若い世代が育っている。素晴らしいのは、自前の選手を育てて中核にしてきたこと。企業にとっても人は財産ですが、その点でも同じスピリットを感じますね。  実は以前低迷しかけたとき、スポンサー各社が連なって即戦力の外人選手を補強するように直訴したことがあるんです。でも、“いま他から連れて来ると、ようやく育ってきた若手がつぶれてしまう。もうちょっと、辛抱してください”とチームの方に言われました」


――チーム方針がブレないですね。

「本当にいいパートナーとめぐりあえたと思います。ですから、長く支援していくことで、これからますますいい関係になっていくでしょうね」


――サッカー界やアントラーズに望まれること、提言などございましたら。

「スタジアムの活性化として、交通の便の改善、もっと行きやすくなればいいと思います。日本のスタジアムはアクセスにちょっと問題があるところが多い。特に鹿島の場合、車やバスが交通手段の中心ですが、やはり不便ですし、エネルギー的によくない。これは行政といっしょにやらなければならないことですが、もっと工夫して欲しいです」


――最後に、日本のサッカー界、選手、ファンへ熱きメッセージをお願いします。

「震災の年にLIXILという会社が誕生し、いま“リクシルって知ッテル?”というキャンペーンをやらせていただいています。先ほどもお話させていただきましたが、違う文化と歴史を持った5社がひとつになって、新しい会社となるというのは大きなチャレンジです。日本全体が構造改革を求めているなか、我々はチャレンジしています。

ぜひ、サッカーはもちろん、野球や相撲などあらゆるスポーツを含めて、新しい世の中に向かってチャレンジしていけたらと思います。エネルギーの問題があっても、ただ“世の中を変えていこう”と言っても伝わりませんが、私たち自身が価値観を変えていけば世の中は変わっていくと思います。日本の社会はこれまでエネルギーを浪費することをよしとしてきましたが、身近にあるものを大事にしたり、愛しんでいけば、変わっていくはずです。

昨年、トステムの“スマイルエコキャンペーン”テレビCMソングとしてFUNKY MONKEY BABYSさんに『未来の君へ』という曲を作っていただきました。そのなかで“子どもたちにホタルを見せてやれる世の中でなければいけない”と歌っているんですが、まさにそれだと思います。LIXILは住まい、生活に関わる企業として、そういうマインドをこれからもみなさんと共有していきたいと思います」



取材・文:宮崎俊哉(CREW) 撮影:吉澤士郎

PROFILE

石橋 和之(いしばし かずゆき)
1962年生まれ。神奈川県逗子市出身。青山学院大学英米文学科卒。広告代理店でコピーライターとして家電メーカー等の広告を担当した後、1989年、トーヨーサッシ(現LIXIL)入社。4月からスタートした新社名「LIXIL(リクシル)」の認知向上プロモーションを展開中。

株式会社LIXIL
設立:2001年
主な事業内容:トステム・INAX・新日軽・サンウエーブ・TOEXという住宅設備メーカー5社が統合して2011年4月にスタート。窓・玄関から浴室・トイレ・キッチン、エクステリアまで住宅一棟分の商材がすべて揃う。その圧倒的な商品力を背景に、住宅に関する様々な課題をソリューションする提案型企業をめざす。
本社所在地:東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビルディング36階
URL:http://www.lixil.co.jp/
震災復興チャリティマッチ「SMILE AGAIN」
チャリティTシャツ・プレゼント10名様
6月4日に鹿島スタジアムで開催された「震災復興チャリティマッチ・SMILE AGAIN」。被災地の一つでもある鹿島が力強く立ち上がる姿は、他の被災地の人たちにもきっと大きな力になるはず。そんな思いで、LIXILはこのイベントを共同企画したという。ジーコやラモス、秋田、エムボマといった伝説のプレーヤーが国内外から集結。記念ライブではFUNKY MONKEY BABYSが、ピッチを走り回って元気とスマイルを届けてくれ、皆の心に残ることとなっただろう。

このイベントの記念Tシャツを10名様にプレゼント。
官製はがきに郵便番号・住所・氏名・年齢・職業・電話番号を明記の上、〒150-8549 ぴあ(株)メディア営業グループ「サッカーを支える企業」係までお送りください。
応募の締切は8/19(金)消印有効。当選の発表は商品の発送をもって代えさせていただきます。

この取材は2011年6月23日(木)に行われました