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JAPANサッカーを支える企業
 
株式会社ジェイ・スポーツ・ブロードキャスティング
国内最大のスポーツ専門チャンネル「J SPORTS」。Jリーグ全試合放送やドキュメント番組など、多彩なプログラムでスポーツファンに絶大な支持を得ている。
最前線からサッカー界を見守り続けてきた「J SPORTS」のプロデューサー・渡邉氏にサッカー放送への思いを伺った。
株式会社ジェイ・スポーツ・ブロードキャスティング
   

——まずは、事業内容からお話しいただけますか。

「この連載で今まで登場された企業は、それぞれ本業があって、そのほかにスポーツ、サッカーを支援されていると思いますが、私どもの場合は事業内容そのものが“スポ−ツ”ということになります」


——Jリーグとの関わりは?

「国内外を問わず数あるコンテンツの一つとして、Jリーグの試合中継を皆さんのご自宅までお届けしています。時差があろうとなかろうと、ライブで届けるということを第一に。試合そのものの中継は当然ですが、そのほかいろいろな切り口で特集を組んだりしてお送りしています。スポーツを観てもらうことで、いろんな事を感じてもらえればといいですね。
スポーツという文化に接しいただくことによって、人は幸せになれる。そう信じて、できるだけ多くの方に観てもらえる機会を提供できればと思っています」


——現在、何ジャンルぐらい放送されているんですか?

「大きくわけると10ジャンルですね。サッカー、野球、ラグビー、モータースポーツ、バスケットボール、ウィンタースポーツ、格闘技、テニス、自転車。10番目は“その他”、バレーボールだったり卓球だったりですね」


——なかでもメインとして力を入れられているジャンルは?

「サッカーと野球です。シーズンによってそれぞれ球団の数などは変わってきますが、野球は日本のプロ野球はもちろん、メジャーリーグも放送していますし、さらには女子も扱っています。3月に行われたWBCの放送もしました」


——サッカーに関しては、海外サッカーもかなり多いですが。

「海外サッカーについては、ブンデスリーグ、フランスリーグ、スコットランドリーグやアルゼンチンリーグですね」


——御社のチャンネルに合わせると、全世界のサッカーが観られるというわけですね。

「というわけですね。
「そうですね。例えば、アルゼンチンのサッカーというのもかなり人気があります」」


——現在、Jリーグは何試合ぐらい放送していますか。

「毎節ライブを1試合、残りのJ1のカードは全てを録画で放送しています。トータルで、J1の試合は全て観られることになります。J2につきましては、注目のカードを毎節2試合ずつ放送しています」


——毎節、全試合完全放送ですね。

「はい。“ライブ1試合を含む全試合放送”というのを掲げさせていただいてます」


——J2は?

「注目カードを毎節2試合です」


——サッカーファンにはたまりませんね。

「オシム監督が一番喜んでくれているんじゃないですか。今、J SPORTSには4チャンネルありますが、『J sports 1』『J sports 2』『J sports Plus』『J sports ESPN』というチャンネルがあるなかで、Jリーグは『J sports 1』でしか放送していないので、その日のうちに全て放送しようとするとどんどん積まれていって、試合によっては夜中の2時、3時、4時に放送しなければならないということになってしまうんですよ。それではあまりご覧になっていただけないだろうと。ですので、できるだけ視聴者の方にご覧になっていただきやすい時間帯に編成していこうと思うと、やっぱり一日に放送できるのは2試合くらいなんです。そこで、土曜日にライブをやって、日曜日の昼間に録画をやって、夜もう1試合。ここまでで3試合ですから、さらに月曜日に1〜2試合、火曜日に1〜2試合。水曜日も1〜2試合という感じで放送していますね。録画で観ていただいている方もいらっしゃいますから。
録画のカードのなかには、既に地上波でライブ放送したものもあるんですが、なかにはどこも中継していいないカードもあるんです。それと、例えばヴァンフォーレ甲府の試合など、ローカル局が地元でしか放送していないゲームなどもあるので、JSPORTSなら録画でも全国の人が観られます。」


——サポーターにしてとっては、遅れる、遅れないなんて関係なく、とにかく応援しているチームの試合は観たいですからね。

「そこは結果次第でもあるんですけど。2度と観たくないようなゲームもありますから。でも、勝っても負けても新聞の数行の記事では分からない部分がありますからね。録画でも観れば、試合を観に行った気分になれますし、試合内容についてサポーター同志で話ができますよね。土曜、日曜のゲームを遅くとも月、火、水曜ぐらいまでには、なんとか放送できれば、次の土曜日ホームゲームを観に行った時、あたかも先週のアウエイの試合を観て来たような顔をして、“この前のあのシュートすごかったよな”とか、“あのパスがよかったな”なんて会話ができますしね」


——Jリーグを含め、日本のサッカー界に望むことがありましたら。

「向こうに望むというよりも、私どもがもっと仕掛けなきければいけないという気がしてます。テレビで試合を観て感動された方は、次はスタジアムに行きたくなりますよね。それで、スタジアムにたくさんお客さんが入るとテレビ中継もおもしろくなるんです。1000人しか入っていない試合よりも、5 万人入っている試合のほうがおもしろい。そうなると、作り手の方ももっとおもしろい中継をしようという気になりますし。もちろん、浦和レッズのようなチームはいつもスタジアムが満員ですが。特定のチームでなくても、少しずつでもお客さんが増えていけばいいですよね。フロンターレもだんだん増えてきたり、ガンバも今シーズンはほとんど満員ですし、エスパルスもお客さんが入ってきた。それをまた僕らがクローズアップして、還元できればいいなと思います。
私どもだけでなく、何かを望むというよりは自分たちがなんとかしてやらなければいけないと思ってる人の方が多いと思うんですよ。例えば、放映を続けることによって1年2年の話ではなくてもっと先になって、日本サッカーのためになればいいじゃないかと。とっても長いスパンの話ですけど」


——確かに、そうですね。

「サッカーができる選手たちを観て、“僕もサッカー選手になりたい”という子供たちが増えて、彼らの夢や希望を担えるならと思うんです」


——サッカー普及、発展に寄与されているわけですね。

「必ず日本のサッカーのためになる。同時に、日本のサッカーのためになることはサッカー以外、例えば野球とラグビーとかほかのスポーツにもそういう影響を与えるだろうし。スポーツ全体が盛り上がって、最終的に弊社に返って来ればいいと考えています」


——Jリーグ、サッカー界、さらにはジュビロ磐田、そのほかサポーターでも加入者の方でも構いませんので、メッセージをお願いします。

「どこか自分との接点に、サッカー、ジュビロ磐田というものを作ってください。全てはそこからだと思うんです。テレビなのか、現場で観るのか。グッズを買うのか、チケットを買うのか。サッカーなり、ジュビロなりというところを、自分の1番近くに置いてみるというのが、1番初めのきっかけかなと思います。
でも、それを置くことによって、幸せにならないとダメですよ。自分がおもしろくなかったら。つまらなかったら仕方ないですから。ジュビロであるとか、サッカーというものが身近にあって、“これ楽しいな”というなにかを、ほんの一瞬かもしれないですけど、J SPORTSが提供できればいいと思います。J SPORTSをきっかけにサッカーの試合を観に行くようになりましたなったら、いいですね」


取材・文/宮崎俊哉(CREW) 撮影/清田征剛

 

渡邉穂高 わたなべほだか
静岡県出身。高校時代はサッカー部に所属、ポジションはDF。英国留学経験もあり、その際にフットボールの母国で本場の文化に触れる。
'02年に株式会社ジェイ・スポーツ・ブロードキャスティング(当時のジェイ・スカイ・スポーツ株式会社)入社。
サッカー番組ディレクター、「MUTV」「チェルシーTV」といったクラブTVのプロデューサーを経て、現在はJリーグ中継制作を担当。

株式会社ジェイ・スポーツ・ブロードキャスティング
事業内容:国内外のスポーツ番組を編成・制作し、スカイパーフェクTV!、スカイパーフェクTV!110、およびケーブルテレビ局を通じて、スポーツ専門チャンネル「J sports 1」「J sports 2」「J sports Plus」
「J sports ESPN」を放送。
設立:1996年9月
本社所在地:東京都江東区
URL:http://www.jsports.co.jp/
 
この取材は2006年9月に行われました