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JAPANサッカーを支える企業
 
キリンホールディングス株式会社 コーポレートコミュニケーション部 広報担当 主務 佐光慶亮
日本代表のオフィシャルスポンサーをはじめ、「キリンカップサッカー」「キリンチャレンジカップ」をスポンサードし、日本サッカー界に多大なる功績を残すキリンホールディングス。今年で記念すべき30回目の開催を目前に控えた「キリンカップサッカー2009」への熱き想いを伺った。
キリンホールディングス株式会社 コーポレートコミュニケーション部 広報担当 主務 佐光慶亮
   

——前回(2006年5月)に続き、2度目の「JAPANサッカーを支える企業」へのご登場となりますが、今回は「キリンカップ・スペシャル」ということでよろしくお願い致します。改めて、サッカー日本代表を支える御社の基本的なお考え、きっかけからお話を伺えますか。

「キリンとサッカーとの関わりは、30年以上前にさかのぼります。1978年、当時日本では初めての本格的国際大会“ジャパンカップ”にキリンがご協力させていただいて、そこからサッカー支援が始まりました。そのきっかけは、東京・原宿(渋谷区神宮前)にキリンの本社があり、JR山手線を挟んで向かい側の岸記念体育館の中に日本サッカー協会さんがいらっしゃった。つまり、ご近所ということでの挨拶の中で、協力してくれる企業探しに苦慮されていた日本サッカー界の実情を知ったというわけです。同時に、私どもも当時は社会へ貢献させていただけることはないかと模索していまして。お近くでというご縁で、支援が始まりました。本当に偶然から生まれたことですが、そこから長いお付き合いが始まりましたので、素晴らしい機会だったのではないかと思っています。」


——偶然のきっかけから“キリンカップ”、当時はまだ“ジャパンカップ”ですが、国際大会への協賛が始まったんですね。

「日本サッカー界の発展とスポーツ文化の普及に貢献することを目的に、“ジャパンカップ”への協力を決定しましたが、正直、できることから応援させていただくといったような気持ちだったんじゃないかなと思います。」


——サッカーについては、どのようなイメージをお持ちですか。

「社内の人間と話していても、キリンではサッカー支援に対し、一種の特別な気持ちを持っているように思うときがあります。非常に厳しく見ている半面、それは理解と思い入れの裏返しなんだと感じます。ふところの深さと言い換えてもいいのかもしれません。」


——キリンカップの歴史を振り返っていただくと。

「78年の“ジャパンカップ”はヨーロッパとブラジルの一流クラブ4チームと、アジアからは韓国代表、タイ代表、日本代表と日本選抜の合計8チームが出場した華やかな国際試合として開催されました。80年に“ジャパンカップ・キリンワールドサッカー”と大会名称が変更され、日本選抜に代わって前年度天皇杯優勝チームが出場することになり、85年からは現在の“キリンカップサッカー”という名称になりましたが、92年からは国の代表であるナショナルチーム同士が対戦する国際サッカー連盟公認のインターナショナルAマッチとなっています。」


——海外からも注目される国際大会となったわけですが、ひとつ整理させていただいて。“キリンカップ”のほかに“キリンチャレンジカップ”という大会も支援されていますが、二つの大会の違いを教えてください。

「“キリンカップ”は現在3カ国の代表チームが総当りでタイトルをかけた対抗戦。毎年5〜6月に行われてきました。それに対して、“キリンチャレンジカップ”は日本代表の強化シナリオに沿って必要な時期にフレキシブルに実施されます。例えば、日本サッカー協会様が、日本代表チームの強化の観点で試合が必要に時期に、マッチメイクされ、開催される大会というわけです」


——“キリンカップ”の話に戻りますが、30年間続けてこられた重みというのはどのようにお感じですか。

「日本サッカー協会様と、ここまでお付き合いいただいていることは大変素晴らしいことだと感じております。長年、お互い理解し続けてきたが故にここまでこれたと思いますし、一方的なお付き合いだったらこうはいかなかっただろうと。互い意見をぶつけあった時期もあるでしょうし。そこを乗り越えて築いてきた歴史、時間が両者の絆みたいなものを作ってきたと実感しています。互いに、全体的な流れをみて、一歩待とうとか、もうちょっと好転することだってあるだろうとやってきた。そういう、お互い信頼しあってきた時間があったからこそ良い関係が生まれるというか、良い判断ができるということもあるんでしょうね」


——理想的な関係を築かれきたわけですね。

「30年以上ですからね、意見や価値の食い違いもあったでしょうけど。私どもの社内でいつも課題になるんですが、当時で言う社会貢献、現状はCSRという位置づけでスポーツ支援をしているグループのなかで、どうしてもコンテンツのパワーがあるだけに、マーケティングというか広告価値として判断するケースもなかには当然あるわけです。逆に言えば、CSRのスタンスやっているといっても、現実それをマーケティングや広告に使っている事実もあるわけで、僕はそれを否定するつもりはありません。しかし、一般的には、広告に使ったり事業に活用するところだけで価値を判断してしまうと、もう協賛を止めようとか、見え方がちょっと足りないから止めようみたいな話になりがちなんですよね」


——まさに今、多くの企業で起きていることですね。

「私どもではCSRのスタンスというか、社会貢献から導入されたスポーツ支援、サッカー支援なので、日本サッカー協会様とお話するときにそこをベースにお話させていただいて、ある程度理解しながら進めているというのが、たぶん30年間続けてこられた一番大きな要素だと思っています。それがとても重要であり、今後もそこは大事にしながら続けていくべきだとも感じています。恐らく、こっちの看板だけの価値だけで判断しはじめたら、もういいんじゃないって議論になってしまうかもしれない。日本サッカー協会様とうちの話し合いも必要ないんですよ。代理店さんと話せば終わりですから」


——これまでの大会で特に印象に残っている選手、試合がありましたら。

「う〜ん、難しいなぁ。当然、全ての試合を観ているわけではありませんし、担当になってからも仕事でなかなか観れませんから・・・強いてあげると、去年の大会なんですが。長友選手(佑都、FC東京)、香川選手(真司、セレッソ大阪)、寺田選手(周平、川崎フロンターレ)が日本代表デビューしましたよね。ワールドカップアジア3次予選を迎える直前の“キリンカップ”で。彼らは、そこをきっかけに最終予選に挑んでいけるわけです。もし、この大会がなければ、いきなり本番になったわけで。“キリンカップ”というのはそういう選手たちが活躍するチャンスとなる大会だということを、去年改めて認識しました。そういう印象を改めて持ったという意味では、やっぱり去年の大会は私にとっては大きいと思いますね」


——“キリンカップ”があったから、彼らは大事な試合に挑む前に代表経験を積めたわけですね。

「そういうチャンスになっていることに、私たちがご協力というか、支援させていただいているという意味で、ちょっとでも役に立ってるんだなって思います。選手たちにも代表デビューとなった感想を聞いてみたいですね。どういう心境だったのかとか、“キリンカップ”がどういう位置づけなのかとか」


——関係者からの反応など、お話を聞かれたことは?

「日本サッカー協会様とお付き合いするなかでみなさんとお会いする機会が多くありますが、私どもにとっては非常に過分なお言葉を毎回いただいております。みなさんから本当に会う度にそのようなことをおっしゃっていただいているので、喜ばしいというか嬉しいですし、大変光栄なことだとと感じています」


——選手からは?

「興味深い話として、代表選手が飲食店を出店されるときに、キリンをご指名いただいたという話も営業から入ってきています。選手のみなさんにそういう意識を持ってもらっているということは、光栄というか、ありがたいなという感謝の気持ちでいっぱいです。」


——御社に育てていただいたと。

「それはどうかわからないんですけど・・・“キリン”ということが頭に浮かんでいただけるのであれば、本当にやってきてよかたなって思います」


——御社のなかでも“キリンカップ”が近づくと盛り上がってくると思いますが、いかがでしょうか?

「変な話ですけど、私に“今日だね”とか、“明日だね、がんばってね”って言ってくる社員がいるんです。私が何をがんばるのって(笑)。“仕事をがんばってね”という意味も入ってるかもしれないですけど、何となくその言葉のなかには選手たちに“勝ってね”っていう気持ちが入っているように感じます。逆に私もそこで、私はがんばりようはないけれども、みんなの気持ちを預かってスタジアムに向かいます。」


——お客さまなどの反応はいかがでしょうか。

「営業マンが、私どもの商品を売っていただいてるスーパーさんとかに“何日は●●戦です!がんばれサッカー日本代表!”というPOPを持っていって掲げてもらったり、試合翌日には結果が書いてあるPOPを持っていって貼ったりとかして、店頭からも日本代表を盛り上げているです。これはキリンならではの営業活動ですし、お店の方にも日本代表の情報を伝える場として喜んでいただいていると思っています。お客様もお買物にいらっしゃったときに“昨日勝ったんだ”とかね、“そういえば昨日ニュースでやってたよ”とか。そういうことを積極的にやっているというのは、入社する以前からサッカーを支援している会社にいる人間ならではかなという気はちょっとしています。そういう人がもっと増えればいいなって思っています」


——今年の見どころ、期待されているところを教えてください。

「今回はワ−ルドカップアジア最終予選の、本当にピリピリしたところの前の大事な強化の場になるということはもう紛れもない事実ですよね。先ほど申し上げましたように、新たな選手が本番の前に活躍される場になる。そういうまさにワールドカップでの飛躍的活躍に向け、何か貢献できる大会になって欲しいというのがまずひとつですね。もうひとつは、今回ご存知のように30回目を迎えることになりますから、今までサッカーを観てきた方にも、またサッカーをあまり詳しく知らない方にも、日本サッカーの歴史を知っていただく機会になってほしいと思います。30回を迎える“キリンカップ”はそれがとてもわかりやすい大会だと思うんです。毎年、代表招集の試合を同じような時期にやっているわけですから。そういう意味で、例えば“この選手とこの選手を組ませて最強チームだ”みたいな意見交換とかしながら、日本サッカーの歴史を振り返ることで、新たなサッカーの楽しみみたいなものが発見できたらいいですね。まさにシビれる6月を迎える前に、新たな観戦の視点ができるんじゃないかなって。そうしたことも、まさに30回だからできることだと思いますね。キリンカップを続けてきた意味もそこにありますし、また次の30年、60年、90年と続けていきたいと思っていますので、そういうことにも繋がっていけばいいなと思います」


——30回の間には、実にいろいろな方が出場していますね。

「今回の30回大会の概要発表の記者会見で岡田(武史、日本代表監督)監督や田嶋(幸三、日本サッカー協会専務理事)専務理事も出場されていたのを知って、驚くとともに、改めて日本サッカーにおける国際大会の軸となっていたんだと感じました。もちろん、“城(彰二、サッカー解説者)さんや小倉(隆史、サッカー解説者)さんが出場されていたのは知ってましたけど」


——“キリンカップ”では、海外の代表チーム同士の戦いが観られるのも大きな楽しみですが。

「日本代表戦だけでなく、世界のサッカーを目の当たりにできる。今回は岡田監督も対戦したいとおっしゃっていた、元アルゼンチン監督のビエルサ(マルセロ)が率いるチリ代表が来たり、ヨーロッパで激戦を繰り広げているベルギー代表がやって来て、3つの代表チームがブツカリあうというのは魅力的ですし、世界レベルのサッカーをじっくり楽しめる機会になると思います」


——御社が展開する今後の「サッカー支援活動」について教えてください。

「キリングループでは、2015年までの長期経営構想“キリン・グループ・ビジョン2015”を掲げています。“おいしさを笑顔に”をグループスローガンとして、いつもお客さまの近くにさまざまな“絆”を育み、“食と健康”の喜びを提案していくことを目指していますが、日本サッカー協会様にもJFA2005年宣言の中に“JFAの約束2015”がありますよね。日本代表が世界でトップ10のチームとなる。サッカーを愛するファミリーが500万人になるという約束ですが。私どもは同じように2015年に向けて掲げているビジョンに共感し、ともに実現していきたいという想いを込めて、支援活動を継続しています。」


——かなり長期にわたっていますね。

「サッカー文化の創造に少しでも貢献したいということで、3つの活動を柱にしていますが、その第1の柱が“すべての代表チームを応援します”です。日本代表に強化の場をご提供するとか、国際試合を観るという意味での“キリンカップ”や“キリンチャレンジ”があるわけですが、単に日本代表だけでなく、なでしことかU代表とか、世界に挑戦する全てのカテゴリーの日本代表チームを支援していきます。そして、第2の柱は“日本代表を応援するファン・サポーターを応援します”。第3の柱が2007年から本格的に始動し、去年から具体化してきているんですが、新たに裾野を広げたいとか、次の世代がサッカーにどう関わっていくかというところに少しでもお手伝いできないかということで、“サッカーを通じてジュニアに楽しさ・心の豊かさを伝えることで、次世代育成に貢献します”です。」


——今回もいろいろ展開されている応援企画は第2の柱ですね。

「はい。グループの工場を全部使って、“キリン・サッカー日本代表応援メッセージ募集!! イベント」をやっております。去年は合計61,204通のメッセージが寄せられ、日本代表へお渡しする贈呈セレモニーも開催しました」


——そんなにたくさん!

「今年も2月22日から5月6日まで募集しています。それと、もうみなさんご存知だと思いますが、青いTシャツを着て日本代表を応援しようということで、“KIRIN サッカー日本代表応援キャンペーン[勝ちT]プレゼント”を実施しています。事業としてはこれが一番大きなキャンペーンになりますね。さらに“サッカー日本代表使用モデルバックパック”が1万名様に当たるインスタントウィンキャンペーンも。ホームページでは“キリンカップ”のマーク入りのサッカーボール4号球を300個、どなたでも応募できるオープンキャンペーンで実施しています。これは3つめの柱にも入るんですが、4号球というと小学生のみなさんがボールを蹴る機会の拡大にもなりますので。大人の方には日本代表プラクティスジャージのレプリカを30着。あとはキリンカップの観戦のチケットですとか、試合で使ったマッチボールなどをみなさんにお届けしたいなと企画しています」


——サッカー教室“キリンサッカーフィールド”は第3の柱ですね。

「そうですね。3月27日から募集が始まりました。コンセプトは、子どもたちに屋根のない大空のもとで駆け回ってもらおう。サッカーをやったことがある子どもはもちろんですけど、ボールを蹴ったことのない子どもにもぜひそういう機会をご提供して、少しでもサッカーの楽しさを経験していただいて、サッカー日本代表を目指していただくと。将来、そういう選手が出たら最高に素晴らしいですよね。そこからチャレンジする精神というところにもスポットを当てて、“目標を設定してそれにチャレンジする気持ちは大事だよね”とか、“運動する前や途中に水を飲まないと運動能力が低下しちゃうよ”とか、“場合によっては倒れちゃうこともあるんだよ”というような、”ウォーターローディング=お水を取る大切さ“もお伝えしています」


——“KIRIN LOVES SOCCER”という素晴らしいキャッチがありますが、こちらに込める思いは?

「サッカーを通じて楽しいとか、あるいはキリンのスローガンでもある“おいしさを笑顔に”というところで笑顔に繋がるようなことになればいいなと思います。これまで申し上げました活動を中心に、サッカーを支援させていただくことで、そういった思いをみなさんにお届けできればそれは素晴らしいことだと思います。サッカー全体を支援させていただくというか、サッカー文化が創造されていくところのお手伝いできればいいなという気持ちを込めて、“KIRIN LOVES SOCCER”という表現を使わせていただいております」


——サッカー界に望まれることがありましたら。

「日本サッカー協会様はすばらしい長期ビジョンをお持ちなので、それに向けてがんばっていただきたいと思います。試行錯誤もあるでしょうし、どこだってストレートにいくわけではないと思いますが、目標に向かって全力で取り組み続けていただきたいと思います。」


——それが叶ったときには本当に素晴らしいでしょうね。

「1978年のときのことを考えれば、その後、ワールドカップにも3回出場したわけですし、Jリーグもスタートして。そういう意味では、この30年間日本のサッカー界ではいろいろなすばらしいことがことがあって、それをご一緒させていただいてきたのは本当に光栄です」


——最後に、6月ワールドカップアジア最終予選を迎える日本代表チームへ熱き応援メッセージをお願いします。

「本当にがんばっていただくだけですよね。ワールドカップって、たぶん選手にとって凄いところなんだろうなって。僕らが想像できないようなところ、夢のある場所なわけですよね。そういうところで戦っていて凄いなと思うし、自分の力を全部出し切っていただきたい。キリンカップも本戦に繋げる試合にもしていただきたいし。まずは、ワールドカップ出場が決まる試合で勝っていただいて、一緒に喜ばさせていただくというか、横で万歳させていただきたいなと思っています。がんばってください! 」


取材・文:宮崎俊哉(CREW) 撮影:新関雅士

 

佐光 慶亮(さこう よしあき)
1968年生まれ。1992年キリンビール株式会社に入社。関東支社長野支店に配属となり、1998年9月まで長野オリンピックが開催された長野市を中心に営業を担当。その後、大阪南支店へ。8年半の営業担当ののち、2001年に広報部文化活動担当キリンプラザ大阪に配属となり、芸術文化を中心に文化活動の業務にあたる。2006年1月から勤務地が本社となり、スポーツ支援を担当する。2007年7月に社名・所属名称が変わり、現在は キリンホールディングス株式会社 コーポレートコミュニケーション部所属。

キリンホールディングス株式会社
主な事業内容:グループの経営戦略・経営管理ならびに専門サービスの提供。
本社所在地:東京都中央区新川2-10-1
URL:http://www.kirinholdings.co.jp
 
みんな集まれ!目指せ、未来の日本代表!
キリングループでは、サッカーの裾野の拡大や未来の日本代表を目指す子どもたちの夢に少しでも貢献したいという想いを込めて、サッカー教室「キリンサッカーフィールド」を展開しています。サッカーをしている子供から、初心者まで、どんな子供でも参加でき、チャレンジする気持の大切さなども体得できるプログラムとなっており、技術だけでなく、サッカーを通じて心の豊かさを伝えていきます。
 
キリンカップサッカー2009~ALL FOR 2010!~ チケット情報
日程 会場 対戦 チケット情報
5月27日(水)
19:35キックオフ予定
大阪長居スタジアム(大阪) 日本代表×チリ代表 チケット情報
5月29日(金)
19:00キックオフ予定
フクダ電子アリーナ(千葉) チリ代表×ベルギー代表 チケット情報
5月31日(日)
19:20キックオフ予定
国立競技場(東京) 日本代表×ベルギー代表 チケット情報
 
この取材は2009年4月7日(火)に行われました